そこは、先の聖戦では悲劇の幕が上がった場所。

荒涼とした大地には、見渡す限りに墓石が並んでいた。

聖戦後、ここの復旧は未だ目処が立たず荒れ放題になっている。

その聖闘士の墓地で一番の高台に、葵達は立っていた。


沙織「ここが、聖闘士達の墓地です。そして、ここが一番の高台になります。」

「…凄く、悲しいね。ここに眠っている人達の多くが、ハーデスと戦ったんだね…。」

童虎「それだけではありませぬが…、確かに多いと思われます。」

星矢「で、葵はここで何をしたいんだ？」

「うん…。ここに眠っている人達に、ごめんなさいっていう気持ちを伝えたいの。城戸葵としてじゃなくて、ペルセフォネとして…。お姉ちゃん、いいでしょう？」


ペルセフォネとして。

その言葉に得心がいった沙織は、貴女の思うようになさいと言ってくれた。

葵は皆から少し離れ、大地に座り込んだ。

そして、祈るように小宇宙を高めていく。

その小宇宙は、沙織のそれに匹敵するほどである。


デス「なんて巨大な小宇宙だ…；」

リア「しかし、恐れは感じない…。むしろ、心地良いものに包まれているような…そんな感じだ。」

シャカ「まさに…神のなせる業…！」

シオン「しかし、彼女は一体何を…？」

沙織「シオン、彼女は言いましたよ？　ペルセフォネとして、ここに眠る英霊達に謝罪をしたいと…。」


葵を見守る沙織の眼は、とても優しく見えた。