葵もつられて視線を移すと、気まずそうな表情をしている黄金達がそこに居る。


シオン「ペルセフォネ様…、いや、城戸葵嬢。我らの謝罪の言葉をどうか、聞いてもらえぬだろうか。」

「謝罪、ですか？」

サガ「あぁ…。我らは聖闘士でありながら、何の罪も犯していない君を深く傷つけた。その愚かさを我らは今更ながら気付いたのだ。」

アフロ「君をどれだけ傷つけてしまったのか、君を守る優秀なナイト達が教えてくれたのだよ。」

カミュ「氷河達に諭されるまで、私達は自らの過ちを認められなかった。」

アル「誰もが気付きながら、認めようとはしなかった。できなかったんだ。」

「何を…ですか？」

ロス「君がけして危険因子ではないという事さ。俺達は、かなり前から君が危険因子ではないと気付いていた。だけど、それを認める事ができなかったんだ。」

「私が、ペルセフォネだから？」

カノン「そうだ。ペルセフォネの夫はハーデス。我らがつい先日まで血で血を洗うような争い…聖戦を遥か古から繰り返してきた。それ故に、神経過敏になりすぎていたらしい。」

シュラ「…俺達は、君にどれほど怖い思いをさせたのか…。考えると謝罪の言葉も浮かばない。」

ミロ「だけど、この過ちに気付けた。青銅達が教えてくれたんだ、君の小宇宙を良く感じろと。」

「私の小宇宙…。」

ムウ「貴女の小宇宙は暖かく、何者をも優しく包み込んでくれるような…そんな優しい小宇宙です。そんな小宇宙の持ち主が、悪事を働こうと画策するわけがなかったのです。どうか、そんな簡単な事にすら気付けなかった私達を…許してください。」


すると、黄金聖闘士たちは葵に向かい、沙織と謁見する時と同じ様に膝をついて礼を取って見せた。


シオン「許せぬとあらば、如何様な罰も受けましょう。…存分になさいませ。」


その言葉には葵だけでなく、沙織や星矢達も驚いた。

あの誇り高い黄金聖闘士達が、アテナではなくペルセフォネに跪いているのだから。