教皇宮へ着くと、女官達が葵へ駆け寄ってきた。


女官「葵様！」

「女官さん達…。」

女官「最早、お会いできないと思っておりましたけど…。再会が叶ってうれしゅうございます！」

「ありがとぅ…///」

一輝「あんた達には、礼を言わなくてはな…。」

女官「お礼？」

星矢「…葵は、ほとんど孤立していた。だが、あんた達が居たから葵も救われていたんだ。」

女官「私達こそ、葵様の優しい心根にどれほど救われた事でしょうか…。あぁ、こうしておられませんね、皆様が教皇の間でお待ちしておりますよ。」

「ん…、行こう。」


教皇の間に近づくほど、沙織達の小宇宙が感じ取れる。

葵は心の中で何度も自分を叱咤していた。


（大丈夫だよ、お姉ちゃんが居るもん。星矢さん達が居るもん。大丈夫だよ。）

一輝「葵、安心しろ。」

「…一輝さん？」

一輝「相手が黄金聖闘士であろうと、教皇であろうと、お前に害なす者であれば俺達が全力で守ってやる。お前には指一本触れさせない。」


他の４人も頷いて、大丈夫だと励ましてくれる。


「…うん、私も頑張るね。」


そして、運命の扉が目の前に現れる。

教皇の間の扉だ。


女官「申し上げます。城戸葵様、青銅聖闘士様、お着きにございます。」


その声は、教皇宮の廊下に響き渡った。