クスクスと笑い出す沙織。

聖闘士たちは、あのハーデスにそんな人間臭い所があるなんて思いもしなかった。


沙織「話を戻しましょう。…青銅の皆さんの言う事ももっともです。しかし、このままでは葵もずっと心の中に聖域での苦い思い出を引き摺る事になります。」

氷河「確かに…。」

沙織「黄金の皆さんの言う事もわかります。過ちを犯したならば、謝罪するのが当然ですもの。しかし、葵が不安がる事も否めません。」

シオン「御意…。」

沙織「ですから、間を取りましょう？　葵を聖域に招待しましょう。そして、青銅の皆さん同席の上で、黄金の皆さんに謝罪をする時を設けましょう？」

瞬「それなら、僕達も安心できます。」

サガ「葵が少しでも不安にならない状況になるなら…。」

沙織「では、皆さん異論はありませんね？」


青銅も黄金も、黙って頷く。


沙織「青銅の皆さん、時期はこちらで指定して連絡を入れます。それまでは、日本で葵の傍に居てあげて？」

星矢「わかったよ、お嬢さん。」

沙織「では、黄金の皆さんも良く考えておいてください。葵に、何をどうやって謝罪するのかを。」

黄金「「御意。」」


こうして、葵を招待する形で聖域に再び招く事になった。

青銅たちは一抹の不安を抱えながらも、これが良き岐路になる事を祈るばかりであった。


～続く～