第６話「責められるという事」


葵が城戸邸に戻り、１ヶ月ほどが過ぎた。

最初は曇りがちだった彼女の表情も、今では聖域へ向かう前と同じくらいに戻ってきている。

それは、心優しき青銅達が彼女を支え、心の傷を癒していったからに他ならない。


「あはは、待って待って～♪」


葵は今日も庭で動物や植物達と遊んでいる。

その様子を青銅達も微笑ましく見ていた。


瞬「葵も随分元気になってきたようだね。」

氷河「あぁ、そうだな。笑顔が彼女本来のものに戻ってきた。」

一輝「フッ、ああやって無邪気に遊んでいる姿を見ると、安心するな…。」

紫龍「…で、先ほどの話はどうする。」

星矢「行くしかないだろう？　このまま、「ハイ、さようなら。」で済ませるもんかよ。」


星矢達が話している内容は、自分達が聖域に赴き、黄金達がいかに葵へ酷い仕打ちをしてきたのかを改めて自覚させる事である。


一輝「俺達５人が居なくても、邪武達が葵をガードしてくれるだろう…。」

星矢「と、なれば…。」

瞬「うん、決まりだね。聖域へ行って、黄金聖闘士達に直談判しよう。葵がどんなに心優しい子なのか、知ってもらおうよ！」

紫龍「無論、そのつもりだ。今回ばかりは、老師であろうとシュラであろうと、絶対に許せん。」

氷河「葵は俺達にとって、大事な妹だ。その妹を泣かせた償いは、してもらわねばな。」


こうして、青銅の５人は聖域へ発つ事を決めたのである。