春の女神と始まりの詩
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「私が…。」
か細く聞こえるのは、葵の声。
沙織「葵…。」
葵はその両目から涙を流していた。
「私がペルセフォネだから、聖域に居ちゃいけなかったの…? 私の旦那様が、ハーデスだったから、居ちゃいけなかったの…?」
沙織「葵、違うのです…。違います!」
「…ごめんなさい、私がペルセフォネでごめんなさいっ………!」
葵はそのまま、教皇の間から走り去った。
沙織「葵っっっ!!」
葵は沙織の制止の声も聞かず、出て行ってしまう。
沙織は情けなさとやるせなさでいっぱいだったが、やがて黄金達を睨みつけた。
沙織「貴方がたには失望しました。」
ロス「アテナ…。」
沙織「葵が何故、今まで聖域に滞在していたのか知ろうともせず、葵の考えを聞こうともせず。ただ、ペルセフォネの化身だという事で、一方的に葵が危険因子だと決めつけるなんて…!」
沙織は玉座から立ち上がり、アテナ神殿へ下がろうとしている。
シオン「アテナ、どちらへ!?」
沙織「神殿へ下がります。しばらくは、貴方がたの顔など見たくもない。アテナ神殿への出入りを一切禁止します。」
シオン「しかし、執務は!?」
沙織「言ったでしょう、貴方がたの顔など見たくもないと。貴方達が勝手になさい。」
サガ「アテナ!」
サガのすがるような声も聞き流し、沙織は誰かを呼ぶ。
沙織「誰か、女官は詰めておりますか!」
女官「はい、アテナ様。」
沙織「グラード財団アテネ支部にいる辰巳へ連絡を。」
女官「はい、如何様に?」
沙織「明朝一番に、葵を日本へ帰国させます。セスナを寄越すようにと。それと、女官達で葵の荷物をすぐ纏めなさい。」
女官「…葵様を日本へ?」
沙織「これ以上、この危険な場所にとどめて置けません。」
女官「…承知いたしました。」
女官が去っていくと、沙織は背を向けたまま言い放つ。
沙織「貴方達が、いつあの子の首を狙うか分かったものではありません。これが最善の策ですわ。」
リア「アテナ、それはあまりにも…!」
沙織「あわよくば、あの子を亡き者にと考えていなかったと、そう言い切れて?」
それには、誰も反論できなかった。
沙織「見送りは私が行きます。貴方達は行かなくてよろしい。というよりも、葵の前に姿を現さないよう、宮の奥に引っ込んでいなさい。」
沙織は怒りを収める事もなく、アテナ神殿へ去っていった。
か細く聞こえるのは、葵の声。
沙織「葵…。」
葵はその両目から涙を流していた。
「私がペルセフォネだから、聖域に居ちゃいけなかったの…? 私の旦那様が、ハーデスだったから、居ちゃいけなかったの…?」
沙織「葵、違うのです…。違います!」
「…ごめんなさい、私がペルセフォネでごめんなさいっ………!」
葵はそのまま、教皇の間から走り去った。
沙織「葵っっっ!!」
葵は沙織の制止の声も聞かず、出て行ってしまう。
沙織は情けなさとやるせなさでいっぱいだったが、やがて黄金達を睨みつけた。
沙織「貴方がたには失望しました。」
ロス「アテナ…。」
沙織「葵が何故、今まで聖域に滞在していたのか知ろうともせず、葵の考えを聞こうともせず。ただ、ペルセフォネの化身だという事で、一方的に葵が危険因子だと決めつけるなんて…!」
沙織は玉座から立ち上がり、アテナ神殿へ下がろうとしている。
シオン「アテナ、どちらへ!?」
沙織「神殿へ下がります。しばらくは、貴方がたの顔など見たくもない。アテナ神殿への出入りを一切禁止します。」
シオン「しかし、執務は!?」
沙織「言ったでしょう、貴方がたの顔など見たくもないと。貴方達が勝手になさい。」
サガ「アテナ!」
サガのすがるような声も聞き流し、沙織は誰かを呼ぶ。
沙織「誰か、女官は詰めておりますか!」
女官「はい、アテナ様。」
沙織「グラード財団アテネ支部にいる辰巳へ連絡を。」
女官「はい、如何様に?」
沙織「明朝一番に、葵を日本へ帰国させます。セスナを寄越すようにと。それと、女官達で葵の荷物をすぐ纏めなさい。」
女官「…葵様を日本へ?」
沙織「これ以上、この危険な場所にとどめて置けません。」
女官「…承知いたしました。」
女官が去っていくと、沙織は背を向けたまま言い放つ。
沙織「貴方達が、いつあの子の首を狙うか分かったものではありません。これが最善の策ですわ。」
リア「アテナ、それはあまりにも…!」
沙織「あわよくば、あの子を亡き者にと考えていなかったと、そう言い切れて?」
それには、誰も反論できなかった。
沙織「見送りは私が行きます。貴方達は行かなくてよろしい。というよりも、葵の前に姿を現さないよう、宮の奥に引っ込んでいなさい。」
沙織は怒りを収める事もなく、アテナ神殿へ去っていった。