一方、教皇宮執務室。

サガが今日の監視を終えて戻ってきたので、黄金たちが今日の報告を聞いていた。


サガ「…以上が本日の監視報告でございます。」

シオン「ご苦労…。しかし、命つきかけた植物に再び生を授けるとはな…。春の女神にして、母デメテルの血を濃く受け継いでいるという事か。」

童虎「更に遡れば、大地母神ガイアの能力も受け継いでいる事になる。ガイアの恐ろしさは…皆知っておろう？」


ギリシャ神話に精通している者ならば、覚えもある。

オリンポス神族にとって、ガイアは畏怖と畏敬の念で見るべき大地母神。

その怒りは時にゼウスを窮地に追い込んできた。


アフロ「…生を失いかけている植物に再び瑞々しい命を与える。それだけを聞いていれば、そんなに悪い子ではないと思いたいが、後々にその行いが我々に、ひいてはアテナに仇なす行為にならないとも言えない。」

シュラ「更なる監視が必要だな。」

デス「あぁ。…女は見た目どおりの性格とは限らねぇ。可愛いツラして、中身ではエゲツない事だって考えてるかも知れねぇんだ。」

シオン「うむ。…サガよ、これからも監視を怠るな。」

サガ「はっ。」

シオン「皆も、ゆめゆめ忘れまいぞ。何か少しでも気にかかる事があれば、その都度でよいから報告に参れ。」

黄金「「御意。」」


燭台にともる火が、大きく揺れている。

黄金達の心を映し出すように………。


～続く～