海皇「ペルセフォネ、無事でよかった…。」

「ポセイドン…。」


ポセイドンは優しく抱擁を交わし、優しく耳元で囁く。


ヒュプ「ペルセフォネ様。」

タナ「再びご尊顔を拝する事ができ、これ以上の喜びはございません。」

「ヒュプノス、タナトス、ありがとう…。」


双子神とも優しく抱擁を交わす。

そして、その後に控えるのは…最も辛い思いをさせてしまったであろう、夫・ハーデス。

心なしか、彼の瞳が揺れている様に見えた。


「ハーデス…、泣いてる？」

冥王「余とて１人の男…。愛する妻が死の淵から甦り、微笑んでくれれば涙も流すのが道理であろう…？」


そう言うと、ハーデスは葵を力強く抱きしめた。


冥王「すまぬ、すまぬ…！　余はお前を全力で守ると誓っておきながら、お前の辛い運命を変える事ができなかった…。」

「ハーデス…。」

冥王「だが、戻って来てくれてよかった…！　もう、もうお前を二度と苦しませぬ。」


葵はハーデスの気持ちを知ると、優しく彼の背中に手を回した。


「ハーデスにもたくさん辛い思いをさせたね。ごめんなさい、ごめんなさいっ…！　もぅ、迷惑かけないように頑張るから、嫌いにならないで…。」

冥王「なるものか、お前を嫌いになどなるものか…。」