沙織「葵、何があったのですか？　最初から話してくれませんか？」


沙織は葵を膝に乗せ、ベッドに腰掛けて葵に問う。


「んと、あのね？　あさおきたらね？　ベッドとおふとんがいつもよりおっきかったの。」

沙織「まぁ、ベッドと布団が？」

「うん。でね、ちょっとくるしかったから、おきようとおもったの。でもね、きのうきてたパジャマがすごくブカブカだったの。」


見れば、葵が纏っているのは夜着の上だけ。


「でね、おきてかがみみたら、ちっちゃくなってたの。」


舌足らずに、それでも一生懸命に教えてくれる葵。

沙織の目はいつしかキラキラと輝き、黄金たちに至っては顔を赤くして、手で鼻と口を押さえてソッポを向いている状態。


「∑くちゅっ。」


葵がクシャミをすると、沙織も葵の姿にハッとして女官たちを呼び、子供用の服を持ってこさせた。


沙織「さぁ、お着替えも終わりましたわ。　やはり、葵は小さくても可愛らしいですわ。」

「うにゅ～…（凹）」


いきなり有り得ない事が起こってしまい、葵は凹みっぱなしだ。

目もウルウルしているが、それがますます沙織の可愛がり精神に火をつける。


アフロ「アテナ、葵。朝食はまだなのでしょう？」

沙織「えぇ。葵、朝ごはんを頂きましょう？」

「おなかすいてないから、いい。」


しかし、『ぐぅ～～～』という何とも情けない音が、葵のお腹から聞こえてきた。


沙織「ご飯にしましょうね、葵？；」

「ぁい…///」

アル「アテナ、私はまだ済ませておりませんので、自宮に一度戻ろうと思います。」


すると、皆が私も俺もと言い出したので、葵は沙織の服をチョイチョイと引っ張った。


沙織「どうしました？　葵。」

「おねーたん、みんなといっしょにたべよ？　みんなでたべたほうがおいちいよ？」

沙織「そうですね、たまには皆さんでご一緒しましょうか？」

「ぁい。」


葵はニコニコと微笑んだ。

その笑顔に、『メロドッキュン///』とした事を口が裂けても言えない聖闘士たち。

言ったが最後、『ロリコン聖闘士』のレッテルを貼られる事が目に見えているから。