春の女神と女神の秘密
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
聖域は、ペルセフォネである葵が一番滞在する時間が多かった場所だ。
その分、彼女がこの地に与えた加護は多い。
荒れ果てた大地に緑の命を根付かせ、今にも朽ち果てそうな木々や草花に活力を与える。
その痕跡は何処に視線をやっても目に付くもので、誰もが花を見る度にあの愛らしい少女を思い出し、顔を歪ませた。
先日、海界と冥界から同時に使者がやってきた時、カミュがせめて各界で彼女の事を風化させないようにと、等身大の氷の像を作り、それを持ち帰った使者はそれぞれの世界で目立つ所へそれを飾ったそうだ。
そんなある日、沙織がハーデスと会議を持とうと通信鏡で回線を開くと、彼の名代としてタナトスとヒュプノスが映し出された。
沙織「ハーデスは、まだ…?」
ヒュプ「それもあるのだが、ハーデス様は今、凍傷にかかっていて床に臥せっておられる。」
沙織「凍傷? コキュートスにでも身投げしたのですか?」
タナ「いいや。実はそちらの水瓶座から送られたペルセフォネ様の像で…。」
ヒュプ「ハーデス様は氷の像があまりにペルセフォネ様に似通っているので、自らの寝所へ持ち込み、抱きしめて眠っていたのだ。」
普段の沙織ならば、
『何考えてるのやら、あのロリコン変質者。』
と断ずる所だが、とてもそんな気持ちになれなかった。
今回の事件で最も心に傷を負ったのは、彼かもしれないのだ。
愛する妻を助ける事ができなかった、しかも二度も。
自分の非力さをいくら呪っても呪い足りないだろう。
そこに精巧に作られた氷の像を送られては、無理も無い。
その分、彼女がこの地に与えた加護は多い。
荒れ果てた大地に緑の命を根付かせ、今にも朽ち果てそうな木々や草花に活力を与える。
その痕跡は何処に視線をやっても目に付くもので、誰もが花を見る度にあの愛らしい少女を思い出し、顔を歪ませた。
先日、海界と冥界から同時に使者がやってきた時、カミュがせめて各界で彼女の事を風化させないようにと、等身大の氷の像を作り、それを持ち帰った使者はそれぞれの世界で目立つ所へそれを飾ったそうだ。
そんなある日、沙織がハーデスと会議を持とうと通信鏡で回線を開くと、彼の名代としてタナトスとヒュプノスが映し出された。
沙織「ハーデスは、まだ…?」
ヒュプ「それもあるのだが、ハーデス様は今、凍傷にかかっていて床に臥せっておられる。」
沙織「凍傷? コキュートスにでも身投げしたのですか?」
タナ「いいや。実はそちらの水瓶座から送られたペルセフォネ様の像で…。」
ヒュプ「ハーデス様は氷の像があまりにペルセフォネ様に似通っているので、自らの寝所へ持ち込み、抱きしめて眠っていたのだ。」
普段の沙織ならば、
『何考えてるのやら、あのロリコン変質者。』
と断ずる所だが、とてもそんな気持ちになれなかった。
今回の事件で最も心に傷を負ったのは、彼かもしれないのだ。
愛する妻を助ける事ができなかった、しかも二度も。
自分の非力さをいくら呪っても呪い足りないだろう。
そこに精巧に作られた氷の像を送られては、無理も無い。