沙織が落胆していると、デスマスクがため息をついて漏らした。


デス「小宇宙を辿って探せばいいんじゃねぇの？」


一瞬訪れた沈黙。

沙織はコホンと咳をして、黄金の杖を持って立ち上がった。


沙織「皆さん。今、思いついたのですが、私と一緒に葵の小宇宙を辿ってください。」

デス「コラ、コラ、コラ。言い出しっぺは俺だぞ？」

サガ「静かにしていろ、蟹。アテナのお怒りに触れるぞ。」

デス「ちっ、しゃーねーな…；」


皆が精神を集中して葵の小宇宙を探る。

あの、暖かな小宇宙を。

すると、意外な場所から葵の小宇宙が感じられた。


シャカ「これは、葵の部屋からではないかね？」

ミロ「そうだな。アテナが探している間に部屋に戻ったのでは？」

沙織「よかった！　でも、少し小宇宙が不安定ですわね？」

ロス「アテナ、様子を見に行きませんか？」

沙織「そうですね。皆さんにもご一緒して頂いてよろしくて？」

全員「「御意。」」


沙織を先頭に、葵の部屋へ急ぐ一行。

再び合鍵を使って葵の部屋に入り、寝室に入ると皆の目が点になった。


沙織「え…。」

黄金「「な…。」」


ベッドの上にちょこんと座っている子供が居た。

見た感じ、３つくらいの子供だろう。

クリクリとした大きな瞳で、沙織たちを見ている。


童虎「ほほぅ、可愛らしい幼子じゃのぅ。春麗の小さい頃を思い出すわい。」

シュラ「しかし、どうしてこんな幼子がこの部屋に？」


皆が頭に『？』を浮かべていると、その幼子はベッドを必死に降りて沙織へトテトテと近づき、勢いよく飛びついた。

その第一声は……。


「おねーたん。」


それで全てが繋がった。


沙織「まさか、葵なのですか！？」

黄金「「∑え～～～っ！？」」