《これを受けるのは私でいいの…。貴女にはもう、痛い思いはさせないからね…？　今まで辛い思いばかりさせて…ごめんね…。》


己の内に封印された死の女神への贖罪の言葉なのだろう。

憂い、哀れみ、誰にでもなく語りかけるペルセフォネの心の声。


冥王「くそっ…。」


ハーデスがペルセフォネに駆け寄る。

そして、あらん限りに手を伸ばして彼女を助けようともがく。

他の神や、闘士たちも力の及ぶ限りに駆け、手を伸ばして彼女を救おうとした。

誰かの手がペルセフォネにかかろうとしたその瞬間、皆の身体が一斉に後ろへ引っ張られた。


沙織「な、何ですの！？」

アベル「アテナ、アレは！？」


ここへ来た時のように、黒い渦がまた発生しているのだ。


沙織「こんな時に…。」


黒い渦は沙織達を再び飲み込もうとして、既に呑み終わろうとしていた。

遠ざかっていく天界の風景の中、離れてしまったペルセフォネの倒れる姿が皆の目に焼きついていた…。


～続く～