ペルセフォネの異変に気付いた神々の考えが、頭の中に流れ込んでくる。

驚きや悲しみ、憤りなど様々な感情が乱れているが、共通している事がただ１つだけある。

それは、死の女神ペルセフォネを何としてでも封じ込めて、元の愛らしい春の女神ペルセフォネに戻さねばという思い。


アイコ「葵は、本当にオリンポスの神々に愛されていたんだな…。」

ミー「えぇ。そうでなくては葵ではありませんよ。」

ラダ「むっ、あちらから走ってきたのは…ハーデス様！？」

ソレ「ポセイドン様もだ。」

シオン「アテナもいらっしゃった。」

アイコ「双子神様たちも。」


駆けつけたアテナたちはただ事ではないと感じたのであろう。

鎧を見につけ、武器を手にし、信じられないという表情でゼウスの傍らに立った。


アベル「同じだ…、あの時と全く同じだ…。」

瞬「では、始まってしまうのですね…？」

アベル「あぁ、オリンポス最大の悲劇の役者は…全て揃った。」


死の女神と化したペルセフォネは、その白金の大鎌を構えてゼウスに何事か言い放っている。

おそらくは、宣戦布告のような事なのだろう。

ゼウスも苦虫を噛み潰したような表情でそれに応え、戦闘に不向きな神々を下がらせ、戦闘が得意な神々を傍らに呼び寄せて身構える。

だが、その神々も辛そうな表情をしていた。

あの心優しい春の女神ペルセフォネと、死の女神ペルセフォネが重なり、どうしても本気を出せないと思って。