《うるさいぞ、小僧ども…。貴様ら如きに用など無いわ。消え失せろ！》


縦横無尽に大鎌から先ほどと同じような攻撃が繰り出されていく。

それはもはや、誰彼とも区別無く、無差別に繰り出されている攻撃。

闘士達の結界では歯が立たない事を悟った神たちは、強力な結界を張ってそれを防いだ。


沙織「これが、あの葵なのですか…。」

シオン「アテナ、このままでは教皇宮だけではなく、聖域全体を巻き込むかと。」

海皇「教皇の申すとおりだ。このままでは、まず教皇宮が早々に粉微塵となる。」

カノン「しかし、この攻撃を避けるも阻むも困難な今、我々に出来る事とは…。」

冥王「アテナよ、どこか広大な土地は無いものか。一般人も近寄れぬような場所に、広大な土地は無いか！？」

ラダ「しかし、聖域にはそんな土地は無かったはず。」


沙織はしばし思案したが、どうやら思い当たる場所が浮かんだらしい。


沙織「グラード財団名義の場所ならば、心当たりはあります。普段、誰も立ち入らない広大な土地です。」

星矢「じゃあ、そこにテレポートすればいいんだな！？」

一輝「しかし、話が通じる相手とも思えんぞ…。」

沙織「…駄目で元々です。小宇宙に直接呼びかけます。」


沙織は小宇宙の波長をペルセフォネに合わせた。


沙織『ペルセフォネ、ここではさぞ窮屈でしょう。もっと広大な場所に戦いの場を移しませんか？　そこでなら我ら全員、心行くまでお相手いたしますが？』

《…よかろう、ここでは大鎌を振り回すのも窮屈と思っていたところよ…。案内するが良い、お前達の死地へな。》

沙織『わかりました。』


次の瞬間、沙織たちとペルセフォネの姿は聖域から消えた。