ハーデスは苦悶の表情を浮かべていたが、何とか彼女に近寄ろうとする。


冥王「ペルセフォネ…。」


その間にポセイドンが入り込み、ハーデスを遮った。


海皇「よせ、ハーデス。今のペルセフォネに近寄る事は死に直結するぞ。」


しかし、そんな２人のやり取りを見ていないかのようにペルセフォネは大鎌を構えた。


《今すぐ、貴様らをタルタロスへと送ってくれるわ！！！》


大鎌からは鋭い刃のような小宇宙が放たれて、ポセイドンとハーデス目掛けて飛んできた。


タナ「ハーデス様、こちらへ！」

ヒュプ「ポセイドンも避けるのだ！」


ポセイドンもハーデスもその小宇宙から逃れ、攻撃をかわした。

小宇宙は後ろにあった壁に直撃し、壁を黒く溶かして消えた。

それだけでは無く、小宇宙の軌道上にあった場所も黒く溶け出し、床も剥がれて焦げた土が剥き出しになっている。

こんなにも恐ろしい事を葵がしたという事実に皆が驚愕の表情になる。


一輝「葵、目を覚ますんだ！」

紫龍「そうだ、いつもの優しいお前に戻ってくれ！」


青銅たちがペルセフォネと化した葵に悲痛な想いを投げかける。

妹のように可愛がってきた葵、優しい春の女神としての力で自分達を包み込んでくれた葵、そんな彼女をその手にかける事など、誰が望もうか。


氷河「葵、お前は他人を傷つける事を望む子ではない！」

瞬「お願い、元に戻って！　僕達は、君と戦いたくは無いんだ！」

星矢「聞こえてるだろ！？　気をしっかり持つんだ、葵！」


だが、ペルセフォネには微塵の感情や表情の揺れは見られなかった。

それどころか、大鎌を再び構えだす。