全員「「Σ！！！？？？」」


葵の部屋の方角から、凄まじい小宇宙の高まりを感じた。

最初こそは葵独特の優しい小宇宙だったが、徐々にその小宇宙がドス黒く塗り潰されていくように、邪悪な小宇宙になりつつある。

その様子に、アベルは驚愕の表情を浮かべた。


アベル「これはまるで、…あの時と、もう１人のペルセフォネ復活の時と同じだ。」


アベルの言葉に、皆の表情が絶望の色に染まる。

地鳴りと揺れが収まっても、葵の小宇宙は高まり続ける。


瞬「これが、葵なの…？」

一輝「何という、強い邪気に満ちた小宇宙なのだ…。」


葵という真っ白な花が今、悪意に満ちた漆黒に染まる。


？《アテナよ、聞こえるか！！》


何処からか聞こえるその声に、沙織は空を見上げた。


沙織「聞こえております、我が父ゼウス。どういう事なのですか！？　ペルセフォネの封印が、解けてしまったようなのです！　あと１ヶ月ほど猶予があったのではないですか！？」

ゼウス《クロノスの封印が…解けたのだ！》

海皇「何だと！？」

ゼウス《ヘルメスたちに調べさせたら、外部から封印を解こうとした形跡が見つかったのだ！》

沙織「外部から！？　まさか、オリンポスにティタンと通じる者が居たというのですか！？」

ゼウス《そうとしか考えられぬ。その者の特定にまでは至っておらぬが、この時期を見越して封印を解いたのであろう。余の失策だ。中からはけして解けぬ封印だが、外からは時間をかければ解けぬ事も無いのだ！》

冥王「…ペルセフォネの元へ急がねば！」

ゼウス《頼む！　あの子を…もうこの手にかけるような事だけは…！》


皆は急いで葵の部屋へと向かったのである。