天界での悲劇はアベルの口から全て教えられた。


アベル「そして、新たにペルセフォネの力を宿したのが城戸葵なのだ。更に、城戸葵として生まれ出る前、ゼウスはペルセフォネを城戸葵の魂の中に見つけ、以前よりも遥かに強固な封印を施している。だが、それは著しい副作用が生じる封印だった。」

サガ「副作用…？　Σまさか！？」

アベル「そうだ、聡いな双子座よ。その副作用とは、今回の幼児化の元となったデメテル様の薬と同じ、成長に関するものだよ。」


城戸葵としての年齢は１３歳。

同年代の星矢たち青銅や沙織に比べると、全体的に幼い印象を受けるし、身体的成長も顕著ではない。

神による強い封印は人間の及ぶところではない。

だから、城戸葵の成長は同年代よりも劣って見えるのだ。


アベル「そして、アテナとハーデスの前聖戦の後に城戸葵は春の女神ペルセフォネとして覚醒し、今までに至るのだ…。」


だが、話の中にも出てきたアテナ、ポセイドン、ハーデス、双子神。

彼らはここまで話を聞いても、その当時の事を全く思い出せずに居た。

それでも、ポセイドンとハーデスの表情は重く、硬い。


ソレ「いかがなさいましたか、ポセイドン様？」

海皇「…当時の事は覚えておらぬ。だが、ペルセフォネの父であるゼウス、叔父である私、叔父であり夫であるハーデスが、計らずともペルセフォネの直接の死に関わっていたなど…。」

冥王「何よりも愛しき妻を…この手で、この手で殺めてしまったのか…。」


あまりの悲劇に、三界の闘士たちも黙り込んでしまった。

今回も、そのような悲劇が起きてしまうのだろうかと、不安にとりつかれていった。

そして、タイムリミットはもう…目の前に。


～続く～