アポ「申し訳ございませんっ…！　我が力…及びませんでしたっっっ…。」


デメテルとハーデスに抱きしめられていたペルセフォネは、神としてはあまりに幼い命を終えた。

アポロンの口から臨終が告げられると、神々は嘆き、泣き叫んだ。


デメ「嘘、嘘よっっ！！　目を開けて頂戴、ペルセフォネ！！　もう一度、貴女の可愛らしい声で、私をお母様と呼んで頂戴っっっ！！」


ペルセフォネを抱きしめながら、デメテルは狂ったように泣き叫んだ。


ヘパ「あぁっ…、ペルセフォネ…。」

アフロ「まだ、まだこんなにも可愛らしい盛りなのに…。」

ヘル「何という事だ、何という…！」


皆がその場で泣き崩れている中で、ハーデスは優しくペルセフォネに語り掛けた。


冥王「ペルセフォネ…、もうすぐ…冥界に戻る時期だと言ったではないか…！　エリシオンで、花や虫と戯れ、ニンフ達と歌い、余や双子神たちと…共に楽しく過ごすと約束してくれたではないか…。」


漆黒の瞳に、涙が溢れていた。

震える手でペルセフォネの前髪をかき上げる。


冥王「そなたは、今まで一度も嘘をつかなかったではないか…。今度も、嘘などつかぬだろう…？」

海皇「ハーデス…。」

ゼウス「…ポセイドン、今は…。今は言わせてやれ…。」


ハーデスの流す涙がペルセフォネに落ち、まるで彼女が泣いているように見えた。


冥王「…余は、これから誰を愛して生きていけばよいのだ…。お前以外に愛する者などいらぬのに、お前以外愛せぬのに！！　教えてくれ、ペルセフォネ…！　あぁ…、ぅぁあ…、ペルセフォネぇええええええ！！！！」


神々の宝物、ゼウスとデメテルの愛娘ペルセフォネは、夫であるハーデスの腕の中で静かに眠っているだけだった………。