だが、いくらゼウス以上の力を持つ神でも多勢に無勢という言葉の範囲内だったらしい。

しばらくすると、疲労の色が出始めたのだ。

攻撃力も衰え、こちらからの攻撃に対する反応も鈍ってきた。

ここが肝心とばかりにゼウスは小宇宙を己の手に集中し、雷を放つ準備に入った。

ポセイドンとハーデスもゼウスのする事に反応して、小宇宙をペルセフォネに放つ準備に入る。

全力ではなく、あくまでも動きを止めて気絶させる程度に留める。

他の神の攻撃に怯んだペルセフォネに出来た隙をゼウスは見逃さなかった。


ゼウス「ペルセフォネ、喰らえっ！」

海皇「はぁあ！」

冥王「おぉおっ！」


ゼウスの雷を主とした３神の攻撃が、ペルセフォネに放たれる。

だが、放たれた瞬間にペルセフォネが纏っていた暗き死の小宇宙が、嘘のように退いて行くのを誰もが感じていた。

それと同時に、いつもの穏やかで優しい本来のペルセフォネの小宇宙が強く表に出てきた。


ゼウス「し、しまった！」

デメ「これは、いつもの小宇宙…！！　いけない！」

冥王「ペルセフォネぇええええ－－－－－！」


誰もが彼女を助けようと駆け寄ったが、その行動も全て無になる。

ゼウスたちの攻撃的小宇宙は、春の女神を直撃したのだ。

凄まじい轟音と共に、ペルセフォネの小さな声がその場に響く。


「とー…さま…、かー…さ、ま。」