話の全てを聞き終わったハーデスは神妙な顔をしていた。

それを見ている葵も暗い表情になる。


冥王「案ずるな、ペルセフォネ。何が起きようとも、余が必ずお前を守り抜いてみせる。」

「ぁい…。」

冥王「余は少し、アテナたちと話してくる。そなたは、安心して休むが良い。」

「いっちゃぅの…？」

冥王「大丈夫だ。何かあればすぐに呼べ。」


ハーデスは葵の額にキスをすると、足早に部屋から出て行った。


冥王（時は近づいていると言うのか…！）


先ほどは葵に何でもないと言ったが、事は急を要する。

ペルセフォネが見たものは、己の封印に関する夢だろう。

大鎌といえばハーデスやゼウスの父であり、ティタノマキアで骨肉の争いを繰り広げた大神クロノスを象徴する武具である。

ペルセフォネがティターン神族封印の鍵であるならば、その大鎌は封印を示すのではないか。

宝石箱は封じられているティターン神族を示すのではないか。

時間はないと感じたハーデスは、アテナやポセイドン、ヒュプノス、タナトスに緊急の召集を呼びかけていく。