春の女神と記憶の旅
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「また、誰か来るの?」
沙織「えぇ。あなたを大事に想う方々が、世界の垣根を超えて来てくださったのです。」
「…怖い。」
沙織「大丈夫ですよ。皆さん、お優しいから。」
しばらくすると、またバタバタと駆ける音が聞こえてきた。
そして、ドアが開けられて入って来たのは、冥界と海界の面々だった。
冥王「アテナ、先ほどの叫びは何事か!?」
海皇「ペルセフォネに何事があったのだ!!」
沙織「お2人とも、お静かに! 葵が、怯えてしまいますわ…。」
見れば、葵は怯えた目で自分たちを見ていた。
冥王「ペルセフォネ、何があったのだ?」
「…怖いよぉ。」
海皇「ペルセフォネ?」
「誰なの? 皆、どうして私を知っているの? わかんない、わかんないよぉ…!!」
その台詞に、冥界と海界の面々も凍り付いてしまった。
葵をこれ以上怯えさせるわけにもいかず、葵を女官に任せて皆は教皇の間へ戻った。
沙織「最先端の医療技術、小宇宙を使っての診察においても、葵には全く異常は無いという結果が出ておりましたのに…。」
海皇「我らの事、何一つ思い出してもらえぬとは…。」
冥王「それどころか、我らを見てあんなにも怯えておる…。何と辛い事か。」
タナ「ペルセフォネ様の記憶を戻す手立てを考えねば…。」
ヒュプ「無くす方法ならレテの水を使えば済む事だが、戻す方法となれば、トンと見当がつかぬ。」
皆がそれぞれの頭脳をフル回転させ、方法を考える。
だが、あまりの出来事に皆まともに頭脳が回転しない。
沙織「あぁ、こんな事になるなら、あの子に癒しの加護のお役目など与えるのではなかった!」
星矢「沙織さん…。」
沙織「少しでも私たちの役に立ちたいと、地上だけではなく、海界や冥界の人たちのお役に立ちたいと、滅多に何かを請う事の無いあの子の強い願いゆえ、与えたお役目が、こんな事を招こうとは…!」
冥王「アテナ、そなたの責ではない。今は…ペルセフォネの体調回復が先ぞ?」
海皇「左様。健全なる精神は健全なる肉体に宿ると申すではないか。今は、彼女の体調回復に専念しよう。」
沙織の両側に座ったハーデスとポセイドンは、彼女の肩を抱き、頭を撫でて慰めた。
しばらくは様子を見ようという事になり、冥界と海界の面々はそれぞれの世界へ帰って行った。
青銅たちもしばらくは聖域に残る事とし、一刻も早い葵の回復を望む。
記憶を失った春の女神。
彼女の行く末には何があるのか。
果たして、彼女の記憶はどうなってしまうのか。
彼女が愛してやまなかった人々の記憶を呼び戻せるのか。
彼女を愛してやまない人々を思い出せるのか。
聖域には重苦しい小宇宙が漂い始めていた―――。
~続く~
沙織「えぇ。あなたを大事に想う方々が、世界の垣根を超えて来てくださったのです。」
「…怖い。」
沙織「大丈夫ですよ。皆さん、お優しいから。」
しばらくすると、またバタバタと駆ける音が聞こえてきた。
そして、ドアが開けられて入って来たのは、冥界と海界の面々だった。
冥王「アテナ、先ほどの叫びは何事か!?」
海皇「ペルセフォネに何事があったのだ!!」
沙織「お2人とも、お静かに! 葵が、怯えてしまいますわ…。」
見れば、葵は怯えた目で自分たちを見ていた。
冥王「ペルセフォネ、何があったのだ?」
「…怖いよぉ。」
海皇「ペルセフォネ?」
「誰なの? 皆、どうして私を知っているの? わかんない、わかんないよぉ…!!」
その台詞に、冥界と海界の面々も凍り付いてしまった。
葵をこれ以上怯えさせるわけにもいかず、葵を女官に任せて皆は教皇の間へ戻った。
沙織「最先端の医療技術、小宇宙を使っての診察においても、葵には全く異常は無いという結果が出ておりましたのに…。」
海皇「我らの事、何一つ思い出してもらえぬとは…。」
冥王「それどころか、我らを見てあんなにも怯えておる…。何と辛い事か。」
タナ「ペルセフォネ様の記憶を戻す手立てを考えねば…。」
ヒュプ「無くす方法ならレテの水を使えば済む事だが、戻す方法となれば、トンと見当がつかぬ。」
皆がそれぞれの頭脳をフル回転させ、方法を考える。
だが、あまりの出来事に皆まともに頭脳が回転しない。
沙織「あぁ、こんな事になるなら、あの子に癒しの加護のお役目など与えるのではなかった!」
星矢「沙織さん…。」
沙織「少しでも私たちの役に立ちたいと、地上だけではなく、海界や冥界の人たちのお役に立ちたいと、滅多に何かを請う事の無いあの子の強い願いゆえ、与えたお役目が、こんな事を招こうとは…!」
冥王「アテナ、そなたの責ではない。今は…ペルセフォネの体調回復が先ぞ?」
海皇「左様。健全なる精神は健全なる肉体に宿ると申すではないか。今は、彼女の体調回復に専念しよう。」
沙織の両側に座ったハーデスとポセイドンは、彼女の肩を抱き、頭を撫でて慰めた。
しばらくは様子を見ようという事になり、冥界と海界の面々はそれぞれの世界へ帰って行った。
青銅たちもしばらくは聖域に残る事とし、一刻も早い葵の回復を望む。
記憶を失った春の女神。
彼女の行く末には何があるのか。
果たして、彼女の記憶はどうなってしまうのか。
彼女が愛してやまなかった人々の記憶を呼び戻せるのか。
彼女を愛してやまない人々を思い出せるのか。
聖域には重苦しい小宇宙が漂い始めていた―――。
~続く~