教皇宮には黄金聖闘士たちが揃いつつある。


サガ「教皇、先ほどのアテナのお声は…！」

シオン「うむ。葵がようやく目を覚ましたのじゃ！」

衛兵「教皇、御報告申し上げます！」

シオン「何事か？」

衛兵「はっ、日本に駐在しております青銅聖闘士５名がお目通りを求めておられて。」

ムウ「星矢たちですか？」

衛兵「御意。」

ロス「何事かあったやもしれん。教皇、通してやりましょう。」

シオン「無論じゃ。通せ！」

衛兵「はっ！」


しばらくすると、パンドラボックスを担いだ星矢、瞬、紫龍、氷河、一輝が教皇の間へ入ってきた。


シオン「久しいの、小僧ども。して、このような真夜中に何事か？」

星矢「何事かじゃねぇよ！　ついさっき、沙織さんの叫び声が日本にいる俺たちにまで聞こえてきたんだぜ！？」

アル「な、何と！？」

氷河「それも、葵が起きたという叫び声。葵に何事かあったのですか、我が師カミュ！？」

カミュ「教皇、彼らにも経緯を説明してもよろしいですか？」

シオン「構わぬ。」

カミュ「では、順を追って話そう。実は…。」


カミュたちは葵に起きた出来事を事細かに説明した。


一輝「なるほどな…。今しがた、目を覚ましたというのだな？」

紫龍「で、様子はどうなのですか？」

童虎「うむ、アテナのお声がかかるまで待つようにと言われての。」

デス「しかし、大陸と海を跨いで日本まで届くアテナの叫び声っていうのもな；」

サガ「素晴らしいではないか！　妹を思うが故の歓喜の声！　素晴らしい姉妹愛だ！！（滝涙）」

カノン「俺らにはとんと縁のない言葉だな。」


穏やかな雰囲気で雑談していた聖闘士たちだったが、彼らを呼びに来た女官の顔色が優れない。


女官「聖闘士様がた、アテナがお呼びであります。」

シオン「うむ。いかがした？　顔色が優れぬが。」

女官「…詳しい事はアテナにお伺いくださいませ。とても、私の口からは申し上げられません！」


女官は涙を流し、その場に崩れてしまう。


瞬「どうしたんですか！？　大丈夫ですか！？」

女官「どうぞ、ペルセフォネ様の所へ、お急ぎくださいませ…！　ううっ…！」


ただ事ではない。

そう感じた聖闘士たちは急いで葵の部屋へと向かった。