騒ぎながら屋敷に帰ると、用意のいい事に剣道の防具を身に付けて、竹刀片手に玄関に立っている辰巳の姿があった。


辰巳「コラァ！　お前たちは何をやっとるかぁ！！！」

星矢「ただいま、辰巳のオッサン。」

辰巳「ただいま、ではないわ！　沙織お嬢様やこの辰巳にまで内密で屋敷から葵お嬢様を連れ出すなど、何を考えている！！　大体、貴様らは…！」


いよいよ長ったらしい説教が始まろうという時に、一輝が辰巳を視線で射抜いた。


一輝「黙れ、辰巳。葵が疲れて眠っているのが見えんのか。早々に部屋で休ませる。」

辰巳「ぬっ！？　た、確かに良くお休みになって…。仕方がない、今日だけは特別に不問にする。今度は無いからな！」


辰巳はそう言って屋敷の中へ消えていった。

星矢たちも葵の部屋に戻り、彼女をゆっくりとベッドに寝かしつけた。


星矢「おーおー、本格的に寝入ってるなぁ。」

瞬「たくさん動いたからね。植物の手入れに、孤児院の子達と遊んだりしたもの。」

紫龍「あんなにたくさん笑った葵は久々だったな。良い兆候になれば幸いだ。」

氷河「そう、だな…。」


しばらくすると、青銅たちも強烈な眠気に襲われた。


星矢「やべー…、マジ寝ちまう。」

一輝「何だ、この強烈な眠気は…。」

氷河「もう、ダメだ…。」

紫龍「ここで、眠るしか、なさそうだな…。」

瞬「あぁ、すごく、眠い…。」


５人は襲う睡魔に勝てず、そのまま葵のベッドにもたれて眠ってしまった。