春の女神と記憶の旅
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その夜、皆が寝静まった深夜の聖域で葵は自分の部屋を抜け出した。
夜着の上にショールを羽織り、静かに石畳の廊下を歩いていた。
通路の両脇に静かに灯るロウソクだけが唯一の光源。
極力自分の気配を消していた葵。
彼女は知らず知らずのうちに小宇宙をコントロールして、自分の気配を完全に遮断していたのだ。
(こっちの方に入口があるんだよね。早く、抜け出さなきゃ…。)
やっと出口が見えたと思ったら、後から誰かに引き止められる。
エル「何処へ行かれるのですか、葵様?」
「エ、エルさん…!」
エル「聖域を出奔すると言う事は、アテナへの明確な裏切りですのよ? 貴女はアテナを裏切るのですね?」
「だって、私なんかが此処に居ても…!」
エル「黙りなさい。罪は罪、アテナの元へ貴女を連れて行きます。その後、聖域からの永久追放でもしてもらえばいいでしょう? 衛兵、誰か! 脱走者です、アテナの元へ連れて行きなさい!!」
近くを見回っていた衛兵が出てきて、エルの指示の元、沙織の寝所へと葵は連行されていった。
連れて行かれる葵の後姿を見て、エルはまたしても冷たい笑みを浮かべる。
エル(聖域は全ての者に平等に裁きを与えるわ。例え、神格者であってもね? 貴女は殺されはしないでしょうけど、聖域から追い出されるのは明確だわ。いくらアテナでも、己の妹だからといって甘い判断を下せないはずだからね…。ククク、いい気味だわ、お姫様?)
そして、エルはありのままをアテナに報告したのだ。
葵が聖域からの脱走を企て、自分がそれを見つけて捕らえたのだと―――。
夜着の上にショールを羽織り、静かに石畳の廊下を歩いていた。
通路の両脇に静かに灯るロウソクだけが唯一の光源。
極力自分の気配を消していた葵。
彼女は知らず知らずのうちに小宇宙をコントロールして、自分の気配を完全に遮断していたのだ。
(こっちの方に入口があるんだよね。早く、抜け出さなきゃ…。)
やっと出口が見えたと思ったら、後から誰かに引き止められる。
エル「何処へ行かれるのですか、葵様?」
「エ、エルさん…!」
エル「聖域を出奔すると言う事は、アテナへの明確な裏切りですのよ? 貴女はアテナを裏切るのですね?」
「だって、私なんかが此処に居ても…!」
エル「黙りなさい。罪は罪、アテナの元へ貴女を連れて行きます。その後、聖域からの永久追放でもしてもらえばいいでしょう? 衛兵、誰か! 脱走者です、アテナの元へ連れて行きなさい!!」
近くを見回っていた衛兵が出てきて、エルの指示の元、沙織の寝所へと葵は連行されていった。
連れて行かれる葵の後姿を見て、エルはまたしても冷たい笑みを浮かべる。
エル(聖域は全ての者に平等に裁きを与えるわ。例え、神格者であってもね? 貴女は殺されはしないでしょうけど、聖域から追い出されるのは明確だわ。いくらアテナでも、己の妹だからといって甘い判断を下せないはずだからね…。ククク、いい気味だわ、お姫様?)
そして、エルはありのままをアテナに報告したのだ。
葵が聖域からの脱走を企て、自分がそれを見つけて捕らえたのだと―――。