春の女神と記憶の旅
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エルが葵専属の女官になってから数日。
葵は自分が何かエルにとって悪い事をしてしまったのではないかと悩んでいた。
エルの態度が冷たいのだ。
リオはいつも自分に優しくしてくれたし、悩み事とかも親身になって聞いてくれていたから。
しかし、エルは違った。
何か頼むと、それくらい自分でやってくださいと言わんばかりの表情と態度。
悩み事を打ち明けても、話を聞くどころか自分で解決してくださいとあしらわれてしまう。
きっと、今まで自分がリオに甘えすぎていたのだと思う。
他人にも自分にも厳しい人なのだと思っていたが、そうでもない。
他の人が自分に部屋にやってくると、満面の笑顔と温かな言葉、頼まれ事は率先して引き受ける。
自分にだけ厳しくて冷たいのだと理解するのに時間はそんなにかからなかった。
最初は沙織に相談しようと思ったが、相談する事によってエルに罰が与えられてはいけないと心の中に気持ちを押し込めていた―――。
葵が眠りについていたその晩、人の気配を感じて葵は眠りから覚めた。
しかし、何故か目を開けてはいけないと思って眠っているふりをする。
エル「嫌い…。」
(エルさん…?)
近づいてくるエルの気配。
エル「どうして、貴女が大切にされなくてはいけないの?」
(え?)
エル「ペルセフォネの神格者だから? アテナの妹君だから? 何の役にも立たない癖に。」
(!?)
「何の力も無い貴女なんて、ここにいる理由なんて無いじゃない。皆様にチヤホヤされて、お姫様気分を味わって、そのくせ役立たずの貴女なんて必要ないわよ。記憶も無いくせに、戻せないくらい非力な女神の神格者のクセに。」
(エルさん、私の事をそんな風に思っていたの?)
エル「さっさと消えてよ、目障りだわ。」
それだけ耳元で囁くと、エルは部屋から出て行った。
エルが出て行ってから葵はようやく目を開けることが出来た。
(私、ここにいらない子なの? 嘘、沙織お姉ちゃんは私をこの聖域に必要な子だって言ってくれたのに。ただ、居てくれるだけで皆が救われるって言われてたのに。でも、エルさんの言うことも最もかも知れない。記憶を失ってから、私には何の特別な力も戻っていないもの。特別な力が無い自分なんて、本当は邪魔なだけかもしれない…。)
それを面と言えないから、エルがあえて冷たい態度で示してくれたのかもしれない。
そう思うと、葵は眠る事が出来なくなっていた。
葵は自分が何かエルにとって悪い事をしてしまったのではないかと悩んでいた。
エルの態度が冷たいのだ。
リオはいつも自分に優しくしてくれたし、悩み事とかも親身になって聞いてくれていたから。
しかし、エルは違った。
何か頼むと、それくらい自分でやってくださいと言わんばかりの表情と態度。
悩み事を打ち明けても、話を聞くどころか自分で解決してくださいとあしらわれてしまう。
きっと、今まで自分がリオに甘えすぎていたのだと思う。
他人にも自分にも厳しい人なのだと思っていたが、そうでもない。
他の人が自分に部屋にやってくると、満面の笑顔と温かな言葉、頼まれ事は率先して引き受ける。
自分にだけ厳しくて冷たいのだと理解するのに時間はそんなにかからなかった。
最初は沙織に相談しようと思ったが、相談する事によってエルに罰が与えられてはいけないと心の中に気持ちを押し込めていた―――。
葵が眠りについていたその晩、人の気配を感じて葵は眠りから覚めた。
しかし、何故か目を開けてはいけないと思って眠っているふりをする。
エル「嫌い…。」
(エルさん…?)
近づいてくるエルの気配。
エル「どうして、貴女が大切にされなくてはいけないの?」
(え?)
エル「ペルセフォネの神格者だから? アテナの妹君だから? 何の役にも立たない癖に。」
(!?)
「何の力も無い貴女なんて、ここにいる理由なんて無いじゃない。皆様にチヤホヤされて、お姫様気分を味わって、そのくせ役立たずの貴女なんて必要ないわよ。記憶も無いくせに、戻せないくらい非力な女神の神格者のクセに。」
(エルさん、私の事をそんな風に思っていたの?)
エル「さっさと消えてよ、目障りだわ。」
それだけ耳元で囁くと、エルは部屋から出て行った。
エルが出て行ってから葵はようやく目を開けることが出来た。
(私、ここにいらない子なの? 嘘、沙織お姉ちゃんは私をこの聖域に必要な子だって言ってくれたのに。ただ、居てくれるだけで皆が救われるって言われてたのに。でも、エルさんの言うことも最もかも知れない。記憶を失ってから、私には何の特別な力も戻っていないもの。特別な力が無い自分なんて、本当は邪魔なだけかもしれない…。)
それを面と言えないから、エルがあえて冷たい態度で示してくれたのかもしれない。
そう思うと、葵は眠る事が出来なくなっていた。