沙織「一輝、星矢たちにもこの話を伝えてください。それと、葵には私から話すので彼女には内密に。」

一輝「了解した。」


一輝はその場を離れて、しばらくすると星矢たちを見つける。


一輝「葵はどうした。」

星矢「部屋に戻って、本を読むってさ。呼んで来るか。」

一輝「いや、居ない方が好都合だ。よく聞け、お前たち。」


一輝は先ほどの話をそのまま弟たちへ伝える。


瞬「そうなの？　兄さん。」

一輝「あぁ。聖域の斥候からの報告だ、間違いあるまい。」

氷河「ふむ。しかし、用心に越した事は無いな。」

星矢「葵、残念がるだろうなぁ。」

紫龍「しかし、葵は聡い子だ。事情を知れば、きっと納得してくれるだろう。」


沙織は自室へ戻り、１人心地だ。


沙織（葵にはどうやって話しましょう。とても楽しみにしていたのに、こんな形で中断するといえば、さぞ悲しむでしょうに……。でも、夕食が終わってからでも遅くはありませんわね。）


そう考え、沙織はしばらく休息する事にして眠りについた。

一方、舵を任されている辰巳は目の前で起こっている事についていけないで居る。


船員「くそっ、舵がきかん！」

船員「方位磁石が全く機能していません、辰巳様！」

船員「ソナー、完全に機能停止しました！」

船員「依然、船が自動航海状態で島に向かっております！」

船員「整備班より報告！　航行機能、制御不能状態だそうです！」


クルーからの次々の報告に、辰巳は最早打つ手がなかった。


辰巳「お嬢様に御報告してくる。各自、再度チャレンジしてくれ！」

船員「「はい！」」