第２話「神の眠る島。」



明るい日差しが顔に当たり、葵は目を開ける。


「ん～……。」


まだ半覚醒状態で、寝ぼけ眼。

こんな姿を見たら、この船内に居る全ての男子はイチコロコロリであろう。

（古いというツッコミはこの際無しで；）

目を擦りながらカーテンの方へ向かい、思い切りカーテンを開ける。


「……う～ん、いいお天気ぃ　空も青いし、海も綺麗～。…海？？」


葵はもう一度目を擦り、目をシパシパさせる。

どこからどう見ても海だ。

青一色の世界、伯父であるポセイドンが治める世界。

しかし、何故今ここに自分が居るのだろう？

確か、昨夜は間違いなく聖域の自分の部屋で休んだはずだが……。


「∑まさか、ポセイドン伯父様が聖域に意地悪を！」


いや、聖域が海水で水没するなんて意地悪では済まないだろう；

というより、そうなる前に聖戦リターンズだ。

しかし、葵が居る限り３界は絶対に、そう絶対に争いなどする訳がない。

寝起きで上手く働かない脳ミソをフル回転させてウンウン唸って考えていると、後から優しい声がかかる。


沙織「おはよう、葵。起きましたか。」

「お姉ちゃん！　聖域が海になっちゃったよ！」

沙織「クスクス、そうではありませんわ。今、私たちは聖域ではなくて海に居るのです。おじい様が私たちに造ってくださった船の中なのですよ。」

「え？　お船の中？　じゃあ、ここは女神号なの？」

沙織「ええ。」

「どうして？？」


首を傾げる葵に沙織は順良く話していく。

全てを知った葵は喜んで沙織に抱きつく。


「ありがとう、お姉ちゃん！　大好き～。」

沙織「ありがとう、葵。私も葵が大好きよ？　さぁ、他の皆さんと一緒に朝ご飯にしましょうか。」

「はぁい！」