～冥界～


地獄門と三途の川はフリーパスして、葵は第１獄へ来ていた。

裁きの館に入ると、誰かがやってくる。


ルネ「ペルセフォネ様！」

「あ、ルネさん。」

ルネ「何かありましたか、冥界においでになるとは？」

「お姉ちゃんからハーデスにお手紙預かってきたの。」

ルネ「左様でございましたか。今日はハーデス様や双子神様たちもジュデッカにおいでになっております。お送りいたしましょう。」

「お願いします。」


そして、葵はルネの保護の下、ジュデッカへ向かう。

途中、何人もの冥闘士たちに出会い、挨拶を交わし、微笑を交わした。

身の毛もよだつ冥界において、彼女はかけがえのない癒しだ。


ルネ「ここにいらっしゃいますよ。」

「ありがとう、ルネさん。」

ルネ「では、私は持ち場へ戻りますゆえ。」

「お仕事、頑張ってね。」


ルネが見えなくなるまで見送り、葵はその重厚な扉に手を付いた。


ギギィ―――。


扉の向こう側では、冥界の主だったメンバーが執務に没頭していた。

ハーデス、ヒュプノス、タナトス、パンドラ、三巨頭。

彼らは全然葵に気付いていない。

もっとも、葵は小宇宙を完全に隠し通してここにいる。

そうでもしなければ、ハーデスはジュデッカから駆けつけていたはずだろうから。