「でね、聖域もちょっとずつ元通りになってきてるの。お姉ちゃんがお父様から地上を預かった時くらいまで、立派に元通りにしましょうってお話してるんだよ？」

海皇「そうかそうか。海界も少しずつではあるがちゃんと元に戻りつつあるぞ？」

「伯父様、もうお姉ちゃんと喧嘩しないよね？　仲良くしてくれるよね？」

海皇「…そうだな。何度喧嘩をしてもアテナには勝てなかった。もう、喧嘩はせぬよ、ペルセフォネ。」

「本当！？」

海皇「余がそなたに嘘を申した事、あったかな？」

「…ない。」

海皇「では、わかってくれたか？」

「はい！」


葵の満面の笑顔に、その場に居た全員が心を奪われた。

純真無垢なこの少女は、自分たちに無い『無条件で相手を信じる』心に満ちている。


「海将軍さんたち。」

全員「「何か？」」

「あのね、海龍だったカノンさんの事も許してあげて？」


カノンは海界の話になるととても悲しそうな小宇宙を放つのだという。

己の犯した償いきれない罪を感じてのことだ。


「皆が怒ってるのは私もわかるんだ。だけど、お姉ちゃんと伯父様、ハーデスが皆をちゃんとこの世界に戻してくれた。だから、だから…。」


これ以上、何を言って良いのかわからない葵。

そんな葵の頭をテティスが撫でる。