教皇宮に戻ると、星矢たちと一旦別れて自室に戻った葵。

葵付きの女官たちが部屋で待っていた。


女官「お帰りなさいませ、葵様。」

「ただいまっ。」

女官「アテナから伝言を賜っております。」

「お姉ちゃんから？」

女官「こちらの御衣裳にお召しかえになってから、教皇の間までお越しくださいとの事です。」

「そうなんだ？　じゃあ、着替えようかな？」

女官「その前に入浴なさいますか？　海界と冥界に行って、さぞ汗をかかれた事でしょうから。」

「うん。」


そして、葵は女官たちにお世話してもらいつつ、入浴して着替えをした。


女官「まぁ、本当に素敵ですわ！」


女官たちが感嘆の声を上げる。


「お姉ちゃん、わざわざこれを用意してくれてたの？」

女官「はい。きっと葵様に似合うだろうとそれは楽しみにして。」

「わぁ……///　わぁ、わぁ、お姫様みたい。」


鏡の前で後ろを向いたり、横を見たり。

葵はキャアキャア言いながらその服を着ている事を喜んでいた。

それは振袖をベースにデザインされたドレス。

白地に桜の花が美しく刺繍されていた。

また、髪留めに使われているかんざしの花は本物の花を使用している。


女官「さすがは春の女神、ペルセフォネ様。春らしい装いが一段とお似合いになりますね。」

「えへへっ、ありがとう///」

女官「では、教皇の間へ参りましょうか？」

「うんっ！　お姉ちゃんにお礼言わなきゃ！」


葵は女官たちの先導の下、教皇の間に向かった。