～宴～

葵が聖域に戻り、白羊宮の前を歩いていると見覚えのある少年たちが自分の名を呼んだ。


？「葵！」

「あ、星矢さん、瞬さん、紫龍さん！　氷河さんと一輝さんも！」


日本に居る頃からの知り合いが勢揃いしている。


「皆さん、今日はどうしたんですか？」

星矢「沙織さんに用があってな。それよりも元気だったか？」

「はい。」

紫龍「教皇宮に戻るのだろう？」

「戻りますよ？」

瞬「じゃあ、僕たちと一緒に行こうか。」

「はい。」


葵は皆と代わる代わるに手を繋ぎ、１２宮の階段を上って行く。

葵に合わせているのでその速度たるやゆっくりとしているが、それも青銅たちがアテナより賜った任務の内だった。


沙織『なるべく、葵の帰りがゆっくりになるよう供をしてきてください。私たちの計画がばれないように、普段通りに振舞ってくださいね。』


それが何の為なのか、もちろん青銅たちも知っている。

この可愛い女神に秘め事をしているのは些か後ろめたいが、それもこれも、後に待ち構える事の為。

何事も無いように、普段通りにゆっくりと階段を上がっていく少年たちだった。