封真「アテナ、小癪なマネを…！」


今まで穏やかに微笑んでいた九頭竜は、明らかに不機嫌な顔になる。


封真「良いだろう、アテナ。ならば、貴女の加護が必要なくなるほど…彼らを徹底的に滅ぼしてやる！」


九頭竜の周りから、またもや邪悪な小宇宙が立ち上る。


封真「か弱き人間どもよ…。ひれ伏し、恐怖して許しを乞うがいい。今、神と人間の絶対的な差を見せ付けてくれる。そして…絶望しながら冥府へ旅立つがいい！！」


邪悪な小宇宙は黒い霧状となって具象化した。

その小宇宙の強大さに、皆が身動きできなくなる。

しかし、九頭竜はその霧の中に埋もれて姿が見えなくなり、霧はますます広範囲に広がっていった。


「一体、何をしているのだ…？」

シャカ「あの霧の向こうから、凄まじく強大で、邪悪な小宇宙を感じる！」

ムウ「えぇ、あのダゴンやヒュドラとは比べ物にならない小宇宙です。」

デス「どうやら、本性を現すようだぜ。」


数分後、その霧は晴れて始める。

その後に現れた九頭竜の姿に、皆が言葉を失った。


シュラ「何だ、あのおぞましい…醜悪な化け物は！？」

アフロ「まさか、こんな化け物が存在するとは！」


その化け物は、少しずつ身体をくねらせて前に出る。


アル「普通の人間が、あの姿を目撃すれば…魂ごと持っていかれるところだな；」

ミロ「しかし、でかいな…。」

カミュ「…半魚人の首領は半魚人と思っていたが、甘かったか…。」

リア「ギリシャ神話に出てくるどの化け物よりも…化け物じみている。」


その化け物が息を吐き出すと、最後まで残っていた霧は文字通りに霧散した。