日本へ着くと、そこはグラード財団の傘下で城戸邸の近くにある飛行場。

急を要する場合などは沙織やその護衛が聖域から日本へ、逆に日本から聖域へ向かう時に使うカモフラージュ施設である。

飛行場に入ると見せかけ、テレポーテーションを行う場所なのだ。

もちろん、本当に飛行機やセスナもあるし、それらを使う事もある。


沙織「屋敷に戻ったら、まずはお姉さまのご衣裳を見立てましょう！　お姉さまの魅力を余す事無く表現できるドレスなんてあるのか自信はありませんが、私、きっと見つけてみせますわ！」


握り拳に小宇宙を込めて、沙織は明後日の方向に吠えていた。


（…早まった；　でも、アテナの上目遣いにはどうしても勝てないんだよなぁ；）


葵は日本に到着してすぐに後悔したが、そこに迎えがやって来た。


？「沙織お嬢さん！」

「ん？」


後を振り向けば、数人の少年達が立っている。

その少年達は、ユニコーン邪武、ヒドラ市、ウルフ那智、ベアー激、ライオネット蛮であった。

しかし、沙織に同行した護衛たちは彼らの事を知らない。


「誰だ？」

アフロ「さぁ…、見覚えがあるような無いような。」

カミュ「聖闘士並の小宇宙は感じる。」

ロス「では、聖闘士なのか？」

童虎「どうやら、日本にいる残りの青銅たちらしいのぅ。」


ヒソヒソどころか普通の会話レベルの音量で話す護衛たち。

青銅二軍にはその内容がダダ漏れである。


邪武「くっ、やはり俺たちの知名度って低いんだな…。」

市「目立った活躍なんて、してないザンスから…！」

那智「俺たちなんて、聖域でも知名度低いって話だぜ…。」

激「俺たちも、日本で頑張ってるのになぁ…。」

蛮「っていうか、俺らいつの間に一軍・二軍に分かれてたんだ…？」