第８話「ルルイエの主。」



神殿へ向かう前に、パンドラを回復させる方が優先と考えた葵は、彼女の前に膝を突いてヒーリングを施す。

戦いだけではなく、ヒーリングも得意な葵の手から放たれる癒しの光は優しい光だった。

しばらくすると、パンドラは瞼を開けてくれた。


パン「こ、ここは…。」

「もう大丈夫、パンドラ。良かった！」


葵はパンドラに抱きついた。


「パンドラに何かあったら、私は…！」

パン「そうか、助けに来てくれたのだな。この場に居る皆で…。」

「あぁ。パンドラ、今から敵の大将の所へ殴り込みに行くから着いてきて。１人にしたら、また危険がその身に及ぶ。君の事は、三巨頭に任せようと思う。」

パン「三巨頭が守護してくれるなら不安は微塵も無い。だが、その前に他の女性達を救い出してくれまいか？」

シオン「地上から生贄にと攫われた女性達か？」

パン「そう。私が此処に連れて来られるまでは、他の女性達と同じ部屋で閉じ込められていた。まるで、蛙の卵のような物の中に。」

星矢「沙織さん、アテナは！？」

パン「私はあの卵の中へ幽閉された直後、気を失ってしまったのだ。部屋に居なかった所を見ると、九頭竜がどこかへ連れて行ったと思う。」

氷河「では、我々も女性達の救出とアテナの救出に分かれますか？」

童虎「その方がよかろう。面子は…。」

ラダ「それなら、我ら三巨頭が女性達の救出へ行く。パンドラ様に道案内をお願いしたいのですが…。」


ラダマンティスは誰より先にその役を買って出た。


アイコ「流石、イギリス紳士。レディファーストの精神が旺盛だな。」

ミー「アイアコス、あれが俗に言うムッツリスケベというやつですかね？」

ラダ「誰がだ！！！」

パン「わかった。我ら冥界勢が女性達を必ず救出し、地上へ送る。」

「頼んだよ。パンドラ、三巨頭。」


葵たち聖闘士たちはそのまま神殿目指して走り出した。


パン「よし、私達は女性達の救出へ向かうぞ！」

三巨頭「「はっ！」」