ダゴンとヒュドラは怒りで猛り続けている。


陀金「オノレ！！　人間の分際デ、高貴なる我が身に傷をツケルトハ！！！」

「高貴って柄じゃないだろう、半魚人が。」

妃藤羅「許さないワ！！　その命を持って罪を購うがイイ！！！」

「罪？　罪を購うのはお前達の方だ！！　罪の無い地上の女性達を攫い、その命を軽々しく生贄として捧げるだ？　挙句の果てにはアテナをパンドラを罠にはめて攫い、生贄にするという暴挙こそ、罰されて然り！！！」

陀金「人間ナゾ、我らの家畜同然ダ！！」

妃藤羅「地上にある命は、全て我らの所有物！！」


その言葉を聞き、葵は更に怒りの小宇宙を高める。


「…光栄に思えよ、ダゴンとヒュドラ。お前達は初めて私の新しい技を『２つとも』その身に受けて逝ける。先に逝った子供達に誇って逝くがいい！」


その腕を包むのは先ほど見せたばかりのロンギヌス。


「見るがいい、烈火の聖槍がしなる姿を！！！」


腕を掲げると、炎の鞭が葵の周辺に現れ、ダゴンとヒュドラに打ち付けられる。


妃藤羅「ギャアアアア！！！」

陀金「オノレェエエエ！！！」


防御に徹する２匹の隙を突き、その間に入り込んだ。


「そして、超至近距離でこの技を受ければ…理論上回避不可能だ！！」


『ジェノサイド・ブレイド（殲滅の斬撃）！！！』


周囲の全てを巻き込んで、葵は斬撃の舞を踊る。

黄金や三巨頭でも目で追うのがやっとの速さ。

その速さの中で、攻撃・回避・防御・移動を行っている彼女のスキルの高さに目を回しそうだ。

手だけではなく、足すらも鋭い攻撃を繰り出している。

そして、一撃一撃がクレイモアと同等かそれ以上の威力。

実際に目の当たりにしたシオンと童虎も言葉を失うくらいだ。


シャカ「闘神だな、彼女は…。」

デス「最強の姫君なんて通り名は優しすぎるぜ…。」

シオン「聖域の闘神とでも呼ぶか？」

童虎「葵は最強の姫君…その名を気にいっとるようじゃ。勝手な改名は慎んだ方が良いぞ？」

アフロ「そうだよ。彼女はいくら強くても女性なんだから、その名残のある通り名の方が彼女も嬉しい筈だよ？」


程なくして、ついにダゴンとヒュドラは地に倒れ、葵の勝利に終わった。