陀金「何だ、口ほどにも無いナ。」

妃藤羅「たかが人間ですモノ。」

陀金「では、面白い余興でも見せてヤロウカ？」


ダゴンが少し下がっていく。


（くそっ！　あの技…ジェノサイド・ブレイドが使えればまだ何とかなるかもしれない！　だけど、あれを使えばここに居る全員を巻き込んでしまう、どうすれば！？）


葵は有効な戦術を導き出そうと必死に考えている。

だが、有効な手立てが浮かんでこない。

しかも、九頭竜はこいつらの支配層、つまりはこいつらよりも格段に強いはずだ。

ならば、こいつらを倒せない事にはボスでもある九頭竜を倒そうなんて不可能な話のはず。

葵が戦術を考えている間に、ダゴンが何かを持って戻ってきた。

それを見た瞬間、皆が…特に三巨頭が血相を変える。


三巨頭「「パンドラ様！！！」」


そう、ダゴンが手にしているのはパンドラである。


陀金「クックック、さぁ、攻撃してみるがイイ！　この女ごと、私を消せるカネ？」

アイコ「卑怯な！」

ラダ「くっ、これでは手が出せん！」

ミー「…このままではっ！」


聖闘士たちとて、同盟関係であり冥界の重鎮たるパンドラをダゴンを倒す為の巻き添えにする事など出来ない。


パン「何をしているです！！　私にかまう事はありません、戦いなさい！！」

「パンドラ…！」

パン「冥界に留まると決めた時から、死はもとより覚悟の上！　私ごとこの化け物たちを倒し、アテナや他の女性達を助けるのです！！」

陀金「黙れ、生贄の分際で出過ぎた真似をスルナ！！」


ダゴンはパンドラを掴んでいる手に力を込める。


パン「きゃああああ！！！」

ラダ「パンドラ様！！！」


ラダマンティスの悲痛な叫びがルルイエに響いていく。