ルルイエに連れ去られた沙織とパンドラ。

彼女達の目の前に、恐ろしい物があった。


沙織「これは、一体…！？」


天井が高く、床も深い石造りの部屋。

そこには、不思議な物が存在しているのだ。

蛙の卵を知っているだろうか？

あれが巨大化したような物質が部屋中に張り巡らされている。

そして、核となる部分には多くの女性が閉じ込められて眠っている。


陀金「あぁ、彼女達は供物ですよ。」

沙織「く、供物…？　あの女性全員が！？」

妃藤羅「そうよ。気高く美しい、永遠の処女神アテナ。」


妃藤羅がウットリとした表情でその卵を見る。


妃藤羅「私達の主であり、ルルイエの司祭でいらっしゃる九頭竜様が、乙女座の星を背負う純潔の乙女達を…いえ、その魂を捧げるのよ。」

パン「捧げる？　一体、何へ？」

妃藤羅「九頭竜様以外の…ルルイエの支配者の神々よ？」

パン「九頭竜以外にも、神が宿るというのかルルイエにはっ…！」

陀金「そう、そして貴女たちも乙女座を背負う乙女です。特に、貴女たちの魂は他の乙女達とは桁違いに貴重な小宇宙に満ちている。」


妃藤羅はパンドラの手を取る。


妃藤羅「冥王の姉であり、冥闘士統括でもある貴女も、さぞ良い餌になる事でしょうね？」

パン「な、何をする！　離せ！」

沙織「パンドラ！？」


沙織はパンドラを守ろうとするが、陀金に遮られる。


沙織「そこをどいて！　パンドラに何をする気です！！」

陀金「まだ、命をどうこうしようという段階ではありませんから安心なさい、アテナ。ただ、時が来るまでこの中にて眠ってもらうだけ…。」


そして、パンドラは卵の中に幽閉され、沙織は陀金と妃藤羅によって部屋から出されて何処かへ連れて行かれた。