長い階段を駆け上り、最上階に辿り着いた葵。

彼女が見たのは、九頭竜に抱き上げられる沙織と陀金に抱き上げられるパンドラ。

先ほどまで交戦していた妃藤羅も２人の脇に立っていた。

沙織もパンドラも気を失っているのか、目を閉じたままだ。


封真「おや、貴女はパーティーで素敵なダンスを踊っていたお嬢さんですね？」

「九頭竜！　アテナとパンドラを返せ！！！」

封真「それは出来ない相談です。彼女達には、まだ用があるのですよ。」

「ふざけるなっっっ！！！」

？「「葵っ！！！」」


後ろから呼ばれた葵は驚いた。

そこには、一緒にアテナ、パンドラを探していた聖闘士、冥闘士が揃っていたのだ。

だが、青銅二軍たちは未だに回復しないのか居ない。


「お前ら、どうしてここが！？」

童虎「何、シオンにちょいと聞いただけじゃ。」

ラダ「詳しい事は、アテナとパンドラ様を救出した後だ。」


ラダマンティスは鋭く九頭竜たちを睨む。


陀金「聖闘士と冥闘士のタッグチームですか…。なるほど、偵察部隊では及ばぬはずです。」

妃藤羅「ね？　ここに布陣していた子たちも、あの先代山羊座の転生にことごとく滅ぼされたのよ。」

封真「ようこそ、歓迎いたします。と、言いたいところですけど、少しばかり遅かったですね。…さぁ、とくとその眼に焼き付けるといい。我等が故郷、ルルイエの全貌を！！！」


九頭竜の叫びに呼応して、海上施設が大きく揺れる。


アイコ「地震か！！」

ミー「これは…地殻変動の影響ですか！」

星矢「くっ！！」

瞬「あぁ、皆、見て！！　九頭竜たちの後ろに、何かがせり上がってきている！！！」


瞬の言葉に皆が九頭竜の背後を見やる。

その瞬間、驚愕による声が漏れた。


ムウ「馬鹿な…！」

ミュー「何て、大きさだ！！」