翌日、アテナ沙織が聖域に戻ってきた。

謁見の間に揃った沙織とシオン、現代黄金。

カノンと葵はまだ戻ってきていなかった。


沙織「実は、明日また日本へ戻らねばなりません。それに伴い、何人かご一緒してもらいたいのです。」

シオン「護衛でございますか？」

沙織「えぇ。実は世界各国の有名な財閥や有力者、名家を集めた大規模なパーティーが行われるのです。それで、この中の何人かにパーティーへ同伴していただきたいのです。」

デス「∑はぁ！？　何で俺たちが行かなきゃならねぇんだよ！？　あんたには優秀な執事がいるだろーがよ！」

沙織「辰巳は顔がアウトです！！！」

ミロ「ぅわ～、キッツ；」

沙織「今回は顔立ちの整った方々を連れて行きたいのですｖ　…まぁ、護衛も兼ねて。」

シュラ「こういうのは、普通逆ではないのか？」

アフロ「シュラ、そういうのは突っ込まぬが花だよ。」


シオンもやれやれとため息をつき、心の中で激しく辰巳に同情して沙織の言い分を了承した。


シオン「仕方ありませんね、アテナの仰せに否は申せませぬ。幸い、当分は執務や任務が比較的少ないので、お好きな供をお選びくださいますよう…。」

沙織「ありがとう、シオン。では…。」


選ばれたのは、童虎、アイオロス、カミュ、アフロディーテ。この４名は沙織の帰国に伴いパーティーへの参加を余儀なくされる。

外れた者はホッと息をつく。

そういう社交的な場が苦手な者がやはり多いからだ。

すると、扉の向こうから声がかかった。


衛兵「教皇、申し上げます。」

シオン「何事か？」

衛兵「はっ。先代山羊座・葵様、双子座・カノン様、共にお戻りでございます。」

沙織「お姉さまとカノンが？　此処へお連れしなさい。」

衛兵「はっ！」


ほどなくして、２人は謁見の間へやって来た。

２人は沙織の前に跪く。


「葵、ただいま冥界より戻りました。アテナ。」

カノン「双子座カノン、海界より戻りましてございます。アテナ。」

沙織「お２人ともご苦労様でした。」

「して、何やら騒がしい声が致しましたが、何事かありましたか？」

沙織「えぇ、実は…。」


沙織は先ほどまでのやり取りを葵とカノンにも説明する。

すると、意外な言葉が２人の口から聞けた。