邪武「何なんだよ、こいつら！！」


青銅二軍にもあの半魚人どもが襲い掛かっていた。

最初はそのグロテスクな姿に驚いたものの、彼らは果敢に戦っていた。

しかし、個々の戦闘レベルは予想外に高く、チームワークの優れている戦いを繰り広げても全く歯が立たない。


市「邪武、後がないザンスよ！？」


後ろを見れば断崖絶壁、いくら聖闘士でもここから落ちればただではすまない。

一番耐久力に優れているであろうベアー檄が皆の前に立って戦っているのも、そろそろ限界が近い。


那智「くぅっ！　最早、ここまでかっ…！」

邪武「馬鹿野郎！！　あきらめるんじゃネェよ！」

蛮「そうだ！　アテナを助けられず、こんな所で終わってたまるか！！」


弱気になるメンバーを叱咤する邪武だったが、彼自身ももう長くもたない事を知っていた。


邪武（俺に、俺たちに星矢たちのような力があれば！！）


半魚人たちがジリジリと距離を詰めてきた、まさにその瞬間－－－！


半魚人たちに向かって、光が一閃。

その光の上に居た者はことごとく切り裂かれて消滅していった。

その光の出所を見ると、そこにはこれ以上無く心強い援軍が立っている。


「青銅、お前たちもアテナをお守りする聖闘士ならば、自分から戦いをあきらめるな！！」


葵はそのまま敵の群れの中に飛び込んだ。


邪武「あんたは、葵さん！！」

那智「あれが、聖域の…最強の姫君と恐れられている、葵さんの本当の姿？」

市「強い…、けどなんて美しいんザンショ…。」

蛮「しかも、あの一撃であれだけの数を葬れるなんて…！」

檄「桁が違いすぎる！」

「お前たちはそんなに弱くないはずだ！　あきらめるな、小宇宙を燃やせ！　そして、こんな奴らに負けるな、アテナを救い出すぞ！！」


凛々しく戦う葵に青銅たちは見惚れていた。

しかし、気を取り直して構えを取る。


邪武「お前ら、まだいけるな！？」

檄「任せろ、やってやる！」

蛮「今まで、俺たちは星矢たちに甘えてばかりだったが…。」

市「アタシたちだってアテナの聖闘士！　聖闘士の名前に泥は塗れないザンスよ！！」

「よぉし…。よく言った、お前たち！　こんな刺身にしても焼き魚にしても食えそうにない奴らはさっさと倒すぞ！！！」

青銅「「おぅっ！！！」」