冥闘士や他の黄金の戦力配置ならば苦戦はするだろうが、勝てるはず。

しかし、葵はグループ分けの大穴に気付いた瞬間、サーッと全身から血の気が引いた。

葵は慌てて星矢と瞬に尋ねる。


「ぉい、星矢、瞬。」

瞬「どうしました？」

「その、お前たち以外の青銅ばかりで組まれた班があったが、奴らの強さはどうなんだ！？　お前たちとどっこい位か！？」

星矢「おい、どうしたんだよ；？」

瞬「そうですよ、落ち着いてください。彼らなら良くも悪くもごくごく平均的で目立たない青銅です。」


瞬の素直な酷評に、彼以外は黒いオーラを感じた。


童虎「顔に似合わず、酷な事を…ん？　しまった！！　おいっ、葵；！」

「わかっている；！　奴らの小宇宙で座標は掴んだ、行って来る！！」


葵はそれだけ言うとテレポートで何処かへ行ってしまった。


星矢「どーしたんだろ、葵さん。」

瞬「ねぇ、何かあったのかな？」


アイオリアは半分あきれて２人に尋ねる。


リア「お前たち、先ほどの半魚人どもは手強かったか？」

星矢「そりゃー、もう！」

瞬「強かったし、手強かったですよ。」

童虎「お前らの腕でそう感じるのじゃ。では、良くも悪くも平均的な青銅ではどうなる？」

星矢・瞬「「あ゛；」」


星矢たち５人は青銅のいわば規格外。

最も神衣に近い神聖衣を纏う事が可能なほど強い聖闘士である。

しかし、邪武たちはごくごく普通の青銅。

５人まとまって行動しているとはいえ、先ほどと同じような勢力に襲われたらどうなるか。


星矢「やっべぇ！　助けに行かなきゃ！！」

童虎「待て待て待て。戦力なら申し分ないが、１人で満足にテレポートもテレパシーも使えないお前たちが行った所で、葵の足手纏いになる。」

瞬「お言葉ですが、このまま此処で待っているだけなんて！」

リア「ならば、今出来る最良の事をするまでだ。」

星矢「何だよ、それ？」

リア「他のグループの様子を調べる。葵が居ないのが不便だが、４人の小宇宙を合わせれば同時に交信も可能だろう。」

童虎「そういう事よ。おのおの、小宇宙の波長をワシと合わせてくれ。」

瞬「わかりました。」

星矢「そういう事なら、仕方ないよな。」


そして、他のグループに連絡を取ると無事が確認。

どうやら、他のグループも葵と同じ危機を感じていたらしく焦ってはいたが、葵が青銅に軍の加勢に行ったと聞いて安堵した様子だった。