星矢「何だよ、こいつら…！？」

瞬「いっ、一体何者なんだ…？；」


それは、あまりに醜悪な群れ。

童虎やアイオリアですら表情を歪めるほどだった。


「どうやら、特殊メイクではなさそうだがな…。」


黒ずんだ緑色の鱗に覆われて盛り上がった背中、白い腹部。

頭部にはエラが有り、眼球はおぞましく膨れ上がっていて、四肢には蛙の様な水かきがついていた。

葵は苦笑いし、星矢に問うた。


「星矢、あれは何に見える？」

星矢「…趣味の悪い半魚人；」

「どうやら、私の見間違いでもなさそうだな。」


ジリジリと距離を詰めてくる半魚人に対し、５人は背中合わせになり、全方位に攻撃可能な構えをとった。


「いいか、少々古典的ではあるが、こういう輩は火や熱に弱い！　私のフランベルグ、アイオリアのライトニングボルト、ライトニングプラズマを中心にして攻撃する！　童虎と星矢、瞬は私たちの援護だ！」

童虎「承知した！　だが、深追いするな！　個々のレベルが不確定なのだから、突っ込みすぎるなよ！？」

全員「「了解！！」」


５人の小宇宙が高まり、戦闘が始まった。


「喰らえ、炎の聖剣！　フランベルグ！！！」


炎を纏った聖剣が半魚人たちを切り裂きながら走る。

かろうじて避けた者の隙を童虎たちが付く。

それでも避けた者たちはアイオリアのライトニングボルトやライトニングプラズマの餌食になる。


（シオンに感謝だな。大羊印、思ったよりも扱いやすくて防御力も想像以上。これは、後で秘蔵の酒を奢るか。）


しかし、楽観は出来ない。

何せ敵の数が多く、意外と耐久力に優れていた。

炎と電撃が弱点に違いないが、それでも思ったより効果は低い。

だが、聖闘士の中でも最高峰の強さを誇る５人。

多少の時間はかかったが、全ての半魚人たちを退ける事に成功した。