一方、葵は荷物を片付けると教皇の間に向かっていた。

近づくにつれて何やら騒がしい。

葵は呆れると同時にドアを開けた。


「こら、廊下にまで聞こえているぞ？　いったい何をしてい…！？」


流石の葵も固まった。

そこには、カノンの前に行列を作り写真を選んでいる居残り黄金組。

その手には聖闘士には貴重な現金が握られていた。

しかも写真はいつの間にか激撮されている自分のパーティードレス姿。

その時点で、寸分の狂いもなく葵の脳裏にここまで至る経過が浮かんだ。

何より恥ずかしくて一生隠しておきたかったあの姿を晒されて、葵はワナワナと震える。


シオン「や、これはのぅ…；」

「問答無用！！」


葵の小宇宙は跳ね上がる。


『エクスカリバー！！！（半分自棄ッぱちバーション）』

黄金「「うわぁああああ～～～！！！」」


黄金たちは１人残らず天井にたたきつけられ、床に接吻した。

しかし、やはり黄金。

手にしている写真は手放さず、聖剣で破れない様に小宇宙をこめて死守していた。

葵はカノンの頭上で仁王立ちし、ものっそい低い声で語りだす。


「カノン。」

カノン「な、何だ？」

「お蔵入り必殺技が完成した暁には、楽しみにしていろ？　お前が最初にそれをその身で浴びられそうだぞ？」

カノン「…はぃ；」


しかし、葵も鬼ではないので写真購入は大目に見てやった。

だが、１００ユーロの中からモデル代と称して６０ユーロほどふんだくってやったが。

写真即売会が終わったところで、再び報告の続きとなる。