パン「アテナと葵はまだなのか？」

一輝「あぁ。女の準備とはこうもかかるものなのか。」

イオ「女性は男性よりも華やかになる為、準備に余念が無いのさ。」

アイコ「でも、２人ともどんな格好をしてくるのかな？」

アフロ「アテナはいつも白を基調としたドレスをお好みになる。だから、今回もそうだと思うが。」

テテ「では、葵はどうなのでしょう？」

童虎「あれは前世の頃からこういう華やかな舞台に立った事が無いのじゃ。アテナも昨日、葵に似合うドレスを見立てると言って気合を入れておった。」

クィ「ならば、私たちは初めて着飾った葵を見る幸運に恵まれたのか。」

バイ「それはこの上ない光栄な事だ。」

ミー「おや？　何やら声が聞こえませんか？」


ミーノスの指摘に皆が押し黙る。

すると、何処からか葵と沙織の声が聞こえてきた。


『アテナ、これはちょっと過激すぎませんか；？』

沙織『何を仰るのですか、お姉さま。』

『しかし、こんなにもタイトなドレスは…///』

沙織『大丈夫ですわｖ　お姉さまのスタイルはとても聖闘士とは思えないくらい整っていらっしゃいますｖ』

『や、やっぱりこっちのスーツを…。』

沙織『駄目ですわっ！　普段から男性のような姿ばかり！　たまには女性らしくなさいませ！』

『あ゛ぅ～；』

沙織『衣装はこれでいいですわねｖ　では、ヘアスタイルとメイクに移りましょうかｖ』

『ま、まだ何かやらかすんですか！？』

沙織『女性は美しく着飾るのに、努力を怠ってはなりません♪』

『男に生まれればよかった～～～；！！！』


あの葵が沙織に押されまくっている。

会話を聞いていた面々は苦笑いしたり、クスクス笑ったり。


カノン「あれは相当アテナに磨かれているな。」

ソレ「ですが、彼女ほどの美貌とスタイルの持ち主ですからね。今のままでは宝の持ち腐れというやつですよ？」

アイザ「天は二物を与えずというが、彼女はいくつも与えられているな。それこそ天に愛されている証なのだろう。」


そして、十数分後。

皆が控えている部屋に沙織がやって来た。

沙織の表情はとても満足げで、一仕事やり終えた感じが伺える。


沙織「皆様、大変お待たせいたしました。」


沙織も美しく着飾っていた。

彼女は可愛らしく、華やかに着飾っている。

アフロディーテの指摘どおり白を基調とした清楚なドレス。

アクセサリー類も大きすぎないちょっとしたアクセントくらいの物ばかりで。


海皇「ほほぅ、また華やかになったものだな。アテナ。」

沙織「ありがとう、ポセイドン。」

冥王「して、葵の初めてのドレス姿はいかがか？」

沙織「そうですわね。お姉さま、どうか入ってきてくださいませｖ」

「…ふぁい；」


もう、返事の時点で凄く疲れきっているのが伺えたが、葵も部屋に入ってきた。