「…人が大人しくしてりゃ、いい気になりやがって…！　何ぬかしとんじゃい、ゴラァ！！！」


葵は持っていたハイヒールを電光石火の早技でデスマスクの頭に振り下ろした。

光速の動きすら見切れる黄金聖闘士の彼にとって、これしき避けるのは余裕のはずなのだが…。


《プスっ！》


実に小気味いい音が執務室に響いた。


黄金ズ「「あ゛；」」

デス「いっっってぇえぇええ～～～！！！！！」


ヒールの先っちょが、デスマスクの脳天に刺さった。（良い子は絶対にマネをしないで下さい。ＢＹ管理人。）

葵は、ハイヒールを取って頭を抑えて蹲っているデスマスクを押し倒して身体の上に跨った。


「アタシに無礼な口を叩いたのはこれか！？　この口か！？」

デス「ぎゅぇええええっ！！！」


葵は片手でデスマスクをヒヨコ口にしてしまい、デスマスクが振りほどこうとしてもビクともしない。

葵のあまりの変貌振りに皆が呆気に取られる。


「キーキー喚くなだぁ？　誰が喚かせてるんだい、この愚弟が！！」

デス「す、すみません、ごめんなさい、許して、お姉様ぁ～～～；！」

「嫁の貰い手が無いだぁ？　グラード財団の秘書課でバリバリに働いていたら、アンタみたいにグウタラできる訳ないだろうが！！！　アタシに無礼な口を利くなんて１億光年早いんだよ、わかったかい！！！」

デス「わ、わかりました；！！！」

「ったく、幾つになっても懲りないねぇ！　今度あんな事言ったら…わかってるだろうね？」


最後の念押しにいたっては、あのデスマスクが涙目になって頷くくらいに怖かった。