Lady Cancer
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一方、アテナ神殿では---。
沙織「本気で仰っているの? 葵さん。」
「はい、総帥。」
沙織「…次に日本へ帰る時、貴女から聖域の記憶一切を取り上げろと…?」
「そうです。聖闘士の中ではサガやカノンが得意分野のようですが、総帥にもそれが可能だと教皇シオンからお聴きしました。まして、総帥はアテナの化身。お2人よりは確実だと…。」
沙織「確かに、その通りです。しかし、それでは…。」
「私は、今の自分を忘れたいのです。…この想いと共に。」
沙織「サガへの想いごと、己の中から記憶を消すと言うのですか?」
「はい。」
沙織「でも、それでは!」
「…もう、夜も更けました。総帥、どうぞお休み下さい。総帥に何かあれば、辰巳執事や他のグラード財団の社員に合わせる顔がありません。」
沙織「葵さん!」
葵は沙織の声にも振り向かず、アテナ神殿を辞した。
残された沙織は、かけていた椅子に深くかけなおす。
沙織「困ったこと…。サガの生真面目さが、こんな所で裏目に出るなんて…。」
サガの生真面目さは美徳でもあるが、同時に融通が利かないという一面もある。
沙織ももう少し彼が気を緩めても良いと思って常々そう言っているが、サガは譲れないとばかりにそれを受け入れはしなかった。
そして、葵もそんなサガの言葉によって己が思い上がっていたのだと信じ込み、自分を恥じて今まで以上に自分を律しようとしている。
沙織「…想い合っているのに繋がらない想いほど、歯痒いものはありませんね…。」
窓から見る星空に沙織はただただ語りかけるだけだった。
沙織「本気で仰っているの? 葵さん。」
「はい、総帥。」
沙織「…次に日本へ帰る時、貴女から聖域の記憶一切を取り上げろと…?」
「そうです。聖闘士の中ではサガやカノンが得意分野のようですが、総帥にもそれが可能だと教皇シオンからお聴きしました。まして、総帥はアテナの化身。お2人よりは確実だと…。」
沙織「確かに、その通りです。しかし、それでは…。」
「私は、今の自分を忘れたいのです。…この想いと共に。」
沙織「サガへの想いごと、己の中から記憶を消すと言うのですか?」
「はい。」
沙織「でも、それでは!」
「…もう、夜も更けました。総帥、どうぞお休み下さい。総帥に何かあれば、辰巳執事や他のグラード財団の社員に合わせる顔がありません。」
沙織「葵さん!」
葵は沙織の声にも振り向かず、アテナ神殿を辞した。
残された沙織は、かけていた椅子に深くかけなおす。
沙織「困ったこと…。サガの生真面目さが、こんな所で裏目に出るなんて…。」
サガの生真面目さは美徳でもあるが、同時に融通が利かないという一面もある。
沙織ももう少し彼が気を緩めても良いと思って常々そう言っているが、サガは譲れないとばかりにそれを受け入れはしなかった。
そして、葵もそんなサガの言葉によって己が思い上がっていたのだと信じ込み、自分を恥じて今まで以上に自分を律しようとしている。
沙織「…想い合っているのに繋がらない想いほど、歯痒いものはありませんね…。」
窓から見る星空に沙織はただただ語りかけるだけだった。