最終話「とけあう想い」


デス『何で、更にややこしい事になってるんだよ；？』

シュラ『お前、サガに何とアドバイスをしたんだ？』

デス『お前の一言で姉貴がえらく心を痛めているから、さっさと謝りやがれと言っといた。』

アフロ『それなら問題は無いだろう。なのに、何故こんな事になっているんだい；？』


それは、ある朝の執務室。

デスマスクもサガがとっくに葵に与えた誤解を解いたものと思っていた。

しかし、事態は改善どころか悪化していたのだ。

葵は仕事上での笑顔すら見せなくなり、サガはもちろん、他のメンバーともほとんど会話をしなくなっている。

サガも葵の事が気になっているようだが、声をかけようとしない。

たった１日の執務の中、デスマスクだけではなく、他の黄金や沙織まで２人の間に流れる気まずい空気を感じ取った。

やがて執務を終えると、沙織は葵を伴ってアテナ神殿へ下がっていく。

残された黄金達はアイコンタクトで確認を取り、デスマスクが口火を切った。


デス「サガ。お前、姉貴に謝ったか？」

サガ「あぁ。」

デス「…だったら、何で昨日よりずっと気まずい雰囲気になってるんだよ？」

サガ「彼女は…自分がいけなかったのだと言った。アテナの秘書として聖域へやってきたのに、我々とあまりに仲が良くなりすぎたゆえの事だったと。これからはそんな事が無いように気をつけるとな…。」


サガは昨夜の葵とのやり取りを包み隠さず全員に伝えた。

最初は皆が真剣な表情をして聞いていたのだが、最後の方になると呆れた表情をする。

そして、デスマスクは彼にとっては珍しく無言でサガを見ていた。

だが、その真紅の瞳の奥には怒りに満ちた炎が点火済みである。