１時間後、宴会場はえらい事になっていた。


「ねぇ、ディー～、チュウしよ///？」

デス「…誰だ、姉貴に酒飲ませたのは！！！」

「ディーってばぁ～///♪」

サガ「…すまん、私だ；」

シオン「まさか、ここまでとはのぅ…；」


葵が酒を飲んでいるので、周りに居た黄金達も一緒になって飲んでいたのだが…。

普段、ビッとしている葵が…キス魔と化していた。

酔っている隙を狙ってキスしてもらおうとしていた不埒な海龍や蠍は、今頃冥界の入り口に立っている事だろう。

姉の危機（？）を察したデスマスクが自ら冥界に送ってあげたのだから。

更に、アイオリアやカミュの純粋培養組は迫られた際に鼻血を噴き出したり、『クールになれ、クールになれ…！』と怪しい呪文をブツブツ唱えて、別の意味で冥界の入り口へ旅立っている。


サガ「日本の同僚達が酒を飲むなと言ったのは、この事があったからか…；」

アル「普段とはえらいギャップだな…；　ムウが今、酔い覚ましの薬を用意しているからそれを飲ませるといい、デスマスク。」

デス「あぁ、そうさせてもらう…；」

シャカ「普段心の奥に押し込めている鬱積を酒が解放しているのだろう…。これ以上、彼女に心配をかけるのはやめたまえ、蟹。」

デス「最近再会したばかりの俺に、それを言うか！？」

シャカ「その最近に、君は姉上のこっぴどい説教を喰らったではないか。」

デス「ぐ…；」


あの時の恐怖が、まるで走馬灯のようにデスマスクの脳内を巡っていった。