ニコッと笑うサガだが、葵はそんな事ないと思っている。

サガとて人間、食事を取らなければ身体に悪い。

彼が倒れでもすれば、聖域の執務は大いに滞るのは明らかだ。

それは何としても阻止しなければ、沙織も心配するだろう。


「サガ、あまり無理はしないで。」

サガ「ありがとう、葵。心しよう。」

カノン「…２人の世界を満喫中すまないが、周りの事もちゃんと把握しろ；」


カノンの声に気付いて周囲を見ると、皆が自分達に注目していた。

葵はハッとして赤面し、サガから顔を逸らしてしまった。


沙織「葵さん、デスマスクとの思い出などを語ってはくれませんか？」

「ディーとの思い出、ですか？」

デス「おい、余計な事聞かないでくれよ；」

「いいじゃない。総帥、何が聞きたいですか？」

沙織「葵さんとデスマスクのご両親はどんな方なのですか？」

「両親ですか？」

沙織「ええ。黄金聖闘士に限りませんが、聖闘士のほとんどは肉親が居ないので。かく言う私も、人間としての両親はおりませんし…。家族とはどんなものかと思いまして。」

「そうですね…。実は私達の両親は結婚してなかったんです。」

全員「「え？」」

「父はマフィアの幹部で、母はバーの経営者でした。」

沙織「ご、ごめんなさい…。私…。」

「いいのです、総帥。ディーもあまり覚えていないでしょうから、ちょうどいい機会です。」


デスマスクも渋い顔をしているが、葵が話すのを止めない。