第２話「良薬はワインの味。」


葵が聖域に来て早々、彼女の有能さに黄金達も舌を巻いていた。

事務仕事は黄金聖闘士総がかりでも敵わないほどのスピード、コンピューターのノウハウは誰よりも深く広い。

流石はグラード財団に数多くいる秘書の中でも優秀と謳われているだけある。

そんな中、黄金達が葵の歓迎会を兼ねた飲み会をしようと誘ってくれた。


「飲み会？」

サガ「あぁ、君の歓迎会を兼ねてな。無理にとは言わないが。」

「ウフフ、みんなのお誘いだもの。是非、参加させていただきます。」


フワリと笑う葵の美貌に、サガもドキッとした。


サガ「料理には期待してくれ。シュラとデスマスクが腕を振るう予定だ。」

「２人は料理に心得があるの？」

サガ「あぁ、三ツ星級なのは保障するよ。」

「なるほど、ディーもいい所あるじゃない。女遊びしたり、酒盛りしたり、聖衣に逃げられてるだけじゃないのね。」

サガ「…最後の項目は些か関係無さそうだが；」

「フフッ、冗談よ。でもね、私お酒飲めないの；」

サガ「？　弱いのか？」

「う～ん；　酒癖が良くないって、日本に居た時の同僚に言われてね。」

サガ「そうなのか。安心してくれ、ソフトドリンクも用意するよ。アテナもおいでになるしね。」

「うん、ありがとう。」


サガも微笑んで自席に戻った。


（サガって男性なのに、どうしてあんなにキレイなのかしら…///）


表面上は何も変化がない葵だが、サガの美貌に溜息が出そうになった。